スポンサーリンク
一覧妖怪

日本の伝承『稲荷神、お狐さま、妖狐、化け狐』名前・種類一覧【40選】

スポンサーリンク
日本の伝承『稲荷神、お狐さま、妖狐、化け狐』名前・種類一覧 一覧
日本の伝承『稲荷神、お狐さま、妖狐、化け狐』名前・種類一覧
スポンサーリンク
スポンサーリンク

化け狐

 

玉藻前(たまものまえ)

多数の文芸作品や伝承で語られる、典型的な「九尾の妖狐」の代表的存在です。 平安時代末期、鳥羽上皇の寵姫として仕えていたが、実は狐の化身であったという伝説があります。正体を暴かれ、下野国那須野原に逃れ「殺生石」と化したとも言われます。 この物語は能・歌舞伎・小説などで広まり、その影響で「玉藻前=兇妖狐」の象徴ともなりました。

ヤジロウギツネ

岐阜県(美濃地方)に伝わる化け狐の伝承です。 年月を重ねた狐が老僧に化け、高徳な人物の人柄を称えたという逸話が残ります。 こうした「化けて人を試す」タイプの狐伝承は、日本各地に多数存在しますが、ヤジロウギツネという名称が明確に記録されている地域伝承として紹介できます。

幸菴狐(こうあんぎつね)

幸菴狐は、群馬県に伝わる化け狐の伝承です。 白髪の老人姿に化け、人々の前に現れては「自分は128歳である」と語ったとされています。 この狐は、仏典の教えを説き、吉凶や将来を予言したとも伝えられ、地域では「知恵を授ける狐」として語られました。 地方伝承では、こうした“徳のある老人に化ける狐”は珍しくなく、幸菴狐はその代表例といえます。

デンパチギツネ

デンパチギツネは、千葉県に伝わる化け狐の物語に登場します。 飯高壇林(いいたかだんりん:かつて関東最大級の学問所)の境内に住みつき、若者の姿に化けて熱心に勉学に励んでいたと伝えられています。 学問所でこれほど明確に「勉強する狐」として語られる伝承は珍しく、知性を象徴する狐として地域に親しまれました。

オタケギツネ

静岡県に伝わる、村人に非常に親しまれた化け狐です。 村に大勢の客が訪れ、膳(食器・料理のセット)が足りなくなると、オタケギツネに頼むとすぐに必要数を揃えてくれたと語られています。 人を助ける「善狐」としての側面が強く、豊穣や家内安全を祈る行事などとも相性の良い伝承です。

経蔵坊狐(きょうぞうぼうぎつね)

別名:桂蔵坊(けいぞうぼう)、飛脚狐(ひきゃくぎつね) 鳥取県に伝わる「因幡五狐」の一匹です。 城に仕えており、江戸と因幡(鳥取)を2〜3日で往復したという、驚異的な俊敏さを持つ狐として語られています。 後には御城山(鳥取城跡周辺)に祀られ、地域の守護的存在とされました。 飛脚のように長距離を駆ける狐という点で、全国的にも特徴のある伝承です。

ショロショロ狐

ショロショロ狐は、鳥取県に伝わる「因幡五狐」の一匹として語られる化け狐です。 若い美しい娘に姿を変えることが得意で、人を迷わせたり、時に助けたりする“艶やかな狐”として記録されています。 その名の由来には諸説ありますが、「しょろしょろ(=すばしこい/ひっそり歩く様子)」を表す擬態語が元になっていると考えられています。

おとん女郎(おとんじょろう)

おとん女郎は、同じく因幡五狐の一匹で、地域の民話に頻繁に登場する狐です。 人間の女性に化けて人と関わることが多く、伝承によっては「経蔵坊狐(桂蔵坊)の妻」であるとも言われます。 因幡地方の狐伝承は夫婦関係や一族として語られることが特徴で、おとん女郎は女性狐の代表格とされています。

尾無し狐(おなしぎつね)

尾無し狐は、因幡五狐の一匹で、“尾のない狐”として語られる珍しい存在です。 年増の女性に化けて人を惑わすという話が多く、ほかの狐と比べると、人間社会に深く入り込むタイプの化け狐といえます。 尾を失った理由については諸説ありますが、物語ごとに説明が異なるため統一した起源はありません。

恩志の狐(おんじのきつね)

恩志の狐も因幡五狐の一匹で、鳥取県周辺の民話に登場します。 火を灯したり消したりして人を惑わせる“光”の化け狐として語られ、夜道で灯りを操って人々を迷わせる妖怪的な性格を持ちます。 狐火の地域バリエーションとみなされることもあります。

宗旦狐(そうたんぎつね)

宗旦狐は、京都市上京区・相国寺に伝わる著名な化け狐です。 茶道の大家・千宗旦(せんのそうたん)に姿を変え、しばしば茶席に現れたと語られます。 宗旦自身が「狐に化かされていたのか、あるいは自分が狐だったのか」と洒落て語ったともいわれ、 茶道の世界と狐伝承が結びついたユニークな例として知られています。 現在でも相国寺界隈には宗旦狐の伝承が残り、地域文化の一部となっています。

コメント