稲荷神、お狐さま、妖狐、化け狐
狐といえば「人を化かす」「油揚げが好き」「神社にいる」というイメージがあると思います。
狐は、神として信仰されたり、妖狐などの怪異として禍々しいものとされたり、狐憑きのように危害を加えるものとして扱われたりと様々な面を持っています。
日本の神話や伝承にはたくさんの狐が登場していて、稲荷神社などで人にひたしまれている狐がいる一方、大妖怪として人に災いをもたらす恐ろしい狐もいたりします。
ここでは、稲荷神、お狐さま、妖狐、化け狐の種類を紹介していこうと思います。
狐の神様
稲荷神
稲荷神(いなりのかみ、いなりしん)は、稲を象徴する穀霊神・農耕神。
稲荷大明神(いなりだいみょうじん)、お稲荷様、お稲荷さんともいいます。
「稲荷」とは食物の神(ウカノミタマ)、キツネ(御食津神)、油揚げのこと。
稲荷神社の祭神は穀物の神である『宇迦之御魂神(うかのみたまのかみ)』で、稲荷信仰で狐は五穀豊穣、稲の豊作を知らせる「神の御使い」とされています。 そのご利益は、五穀豊穣、産業振興、商売繁盛、家内安全、芸能上達などがあります。
天狐(てんこ)
千歳を超えた老狐。強力な神通力を持ち、神となった狐。
千里眼を持ち、さまざまな事物を見透かす能力がある。
空狐(くうこ)
三千歳を超え、神通力を自在に操れる最強の大神狐。
天狐から、さらに2000年という長い年月を生きた善狐が空狐に成るといわれている。
気狐(きこ)
野狐たちよりも位の進んだ狐たち。
仙狐(せんこ)
善狐のうち、千年以上を生きた狐。
辰狐(しんこ)
荼枳尼天(だきにてん)の別名。寺院の稲荷の御神体の多くは辰狐である。
野干(やかん)
荼枳尼天(だきにてん)の眷属(一族)とされている。
白蔵主
白蔵主/伯蔵主(はくぞうす)は、日本の妖狐、稲荷神。
大分県佐伯市の海福寺、大阪府能勢町の七寶寺で「白蔵主大善神」として祀られている。
化け狐
玉藻前(たまものまえ)
平安時代末期に鳥羽上皇の寵姫であったとされる伝説上の人物。妖狐の化身であり、正体を見破られた後、下野国那須野原で殺生石になったという。
ヤジロウギツネ
岐阜県に伝わる化け狐。老狐僧に化けて、高潔な人物の人柄を褒め称えたという。
幸菴狐(コウアンギツネ)
群馬県に伝わる化け狐。 白頭の翁となり、自ら128歳と述べ、常に仏説で人を教諭し、吉凶禍福や将来を予言したという。
デンパチギツネ
千葉県に伝わる化け狐。飯高壇林の境内に住みつき、若者に化けて勉学に勤しんでいたという。
オタケギツネ
静岡県に伝わる化け狐。大勢の人々に出す膳が足りない場合にお願いに行くと、膳をそろえてくれるといわれた。
煎餅狐
岩手県に伝わる白狐。九戸のアラズマイ平に棲み、狐は学校へ通う子供の弁当と自分の煎餅を取り替えることがあり、その煎餅は大人を化かして買わせたものだという。また、狐は子供に飛び跳ねて遊ぶことや学校の勉強を教えていたといわれる。
経蔵坊狐(キョウゾウボウギツネ)
因幡五狐の一匹。
鳥取県に伝わる化け狐。城に仕え、江戸との間を2、3日で往復したと伝えられている。現在は御城山に祭られている。
ショロショロ狐
因幡五狐の一匹。日本の民話に登場する妖怪。
美しい娘に化ける。
おとん女郎
因幡五狐の一匹。 日本の民話に登場する妖怪。
キョウゾウボウギツネ(経蔵坊狐)の妻とも言われる。
尾無し狐(オナシギツネ)
因幡五狐の一匹。 日本の民話に登場する妖怪。
年増の女に化けて人を化かす。
恩志の狐(オンジノキツネ)
因幡五狐の一匹。 日本の民話に登場する妖怪。
灯をともして化かし、里人にわるさをする。
宗旦狐(そうたんぎつね)
京都市上京区の相国寺に伝わる化け狐。「宗旦」の名の通り、千家茶道の基礎を固めた人物・千宗旦に化けてしばしば茶席に現れたといわれる。
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