カムイとは?
アイヌ語には「カムイ」という言葉があり、これは神格を持つ高位の霊的存在、いわば“神様”を意味します。
アイヌ民族の伝統的な信仰は、日本神道の多神教と似た世界観を持っており、「カムイ」という言葉の語源が日本語の「カミ」とつながりがあるとも考えられています。
アイヌの人々は、動植物や自然現象など、この世界のあらゆるものにカムイが宿ると考えてきました。
身近な恵みをもたらす存在もいれば、災いをもたらす存在もおり、中には人間にはできない力を持つカムイも登場します。
日本神話に多くの神々が描かれているように、アイヌの神話・民話にも豊かな物語と共に、さまざまなカムイが語り継がれています。
ここでは、そんなアイヌの世界観に登場するカムイたちを紹介していきます。
アイヌの神様『カムイ』一覧
地方によって発音や名称が変わることがあります。
- アツカムイ モモンガの姿で現れる子どもの守護神とされるカムイ。
- アッコロカムイ 北海道・噴火湾に棲むと伝わる巨大なカムイで、湾を支配する存在といわれる。
- アトゥイカムイ(アットイカムイ) 広大な海そのものを司るとされるカムイ。
- アトゥイコロカムイ シャチ、またはクジラの姿で人前に現れる海のカムイ。
- アパサムウンカムイ タヌキ(ムジナ)の姿を取って現れるとされるカムイ。
- アプカシカムイ 疱瘡(天然痘)をもたらすとされる疫病神。
- アペカムイ 炎を司る女性のカムイで、火の力を象徴する。
- アミタンネカムイ アシダカグモの姿で顕現する女性のカムイ。
- イショサンゲカムイ フクロウを顕現体とするカムイ。白い衣をまとった人の姿で夢に現れるといわれる。
- イモシュカムイ オオヨモギを象徴として現れる男性のカムイ。
- ウスヌプリカムイ 山そのものを司り、山域を守護するカムイ。
- ウタラコロカムイ 天然痘をつかさどるとされるカムイ。
- ウパシチロンヌプカムイ オコジョの姿を持つカムイで、強大な神通力を備えているといわれる。
- ウンコトゥクカムイ 松脂を象徴とした美しい女性のカムイ。
- オイナカムイ 太陽を司るカムイで、地上の平和を守る存在とされる。
- オキクルミ アイヌ創世神話に登場する英雄神で、アイヌ民族の祖とも考えられている。
- オリパクカムイ 天然痘をもたらすとされるカムイで、疱瘡の神として恐れられた。
- オンネチプカムイ 舟(チプ)を象徴として現れる女性のカムイ。
- カパトトノマト 天上に住むコウモリを顕現体とする女性のカムイ。
- カパプカムイ コウモリの姿を持つ男性のカムイ。
- カパラチリカムイ 大鷲を象徴とする強力なカムイ。
- カムイチェプ 鮭のカムイで、アイヌの暮らしを支える重要な神格として尊ばれる。
- カントコロカムイ 天界を司る高位のカムイ。
- カンナカムイ 角を持つ雷のカムイで、天候や雷鳴を支配するとされる。
- キナシュッウンカムイ 蛇を象徴とする男性のカムイ。
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