第九十首 殷富門院大輔 【千載集】
見せばやな 雄島の海人の 袖だにも ぬれにぞぬれし 色はかわらず
『あなたにお見せしたいものです。雄島の海人の袖でさえ、どんなに濡れても色が
変わらないのに、あなたを想って色が変わってしまうほど涙に濡れるわたしの袖を』
【ばや】自分の希望を表す。~したい
【だにも】~さえも
第九十二首 二条院讃岐 【千載集】
我が袖は 潮干に見えぬ 沖の石の 人こそ知らね かわく間ぞなき
『引き潮の時でさえ誰にも見れないほど沖にあり、いつも濡れている岩のように、わたしの袖がいつも涙に濡れて乾く間も無い事を誰もしらない』
第九十七首 権中納言定家(藤原定家) 【新勅撰集】
来ぬ人を まつほの浦の 夕なぎに 焼くや藻塩の 身もこがれつつ
『まつほの浦の波の静かな夕暮れに、待っても中々来ては下さらないあなたを浜辺で焼きこがされている海草のように、わたしもずっと身を焦がしています』
以上 百人一首かるたの恋の歌43首を紹介しました。今聞いても美しい情景や切ない気持ちが伝わってきますね。
日本の伝統や文化の素晴らしさが実感できる歌でした。 百人一首の他にも素敵な歌はたくさんありますので気になる方はこの機会に調べてみてはいかがでしょうか?
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