日本史などに登場する有名な日本文学を歴史順に紹介しています。日本の文学は縄文時代・弥生時代・古墳時代・飛鳥時代にはまだ登場していないため、奈良時代以降の文学作品を年代・作者などを含めて一覧表にしました。
なかには、幻想的な神話や民話、寓話のように幻想文学と言われているものも日本文学には存在します。古くは伝説や神話といったものや『古事記』、『日本書紀』が幻想文学にあたるようです。また、夏目漱石、芥川龍之介、谷崎潤一郎、森鴎外、川端康成などが、超自然を題材にした作品を残しています。
ここで紹介している日本文学はその時代の代表的なものばかりです。まだ読んだことがないのであればここで興味のある作品を見つけて読んでみるのもいいかもしれません。
各時代を代表する文学一覧
奈良時代
古事記 こじき |
712年頃 太安万侶 おおのやすまろ 日本最古の歴史書。和銅5年712年に太安万侶が編纂し、元明天皇に献上された。 |
風土記 ふどき |
713年 以下のことが記載されている。 ・国内の地名 |
日本書紀 にほんしょき |
720年 太安万侶 おおのやすまろ |
懐風藻 かいふうそう |
751年 |
万葉集 まんようしゅう |
759年~ |
平安時代
竹取物語 たけとりものがたり |
910年以前 未詳 / 物語 |
伊勢物語 いせものがたり |
成立時期不明 未詳 / 物語 |
古今和歌集 こきんわかしゅう |
905年 紀貫之 きのつらゆき 勅撰和歌集 |
土佐日記 とさものがたり |
935 紀貫之 きのつらゆき 日記 |
大和物語 やまとものがたり |
951年頃 未詳 / 物語 |
宇津保物語 うつほものがたり |
970年代頃成立 未詳 / 物語 |
蜻蛉日記 かげろうにっき |
974年以後 藤原道綱母 ふじわらのみちつなのはは |
落窪物語 おちくぼものがたり |
989年頃 未詳 / 物語 |
枕草子 まくらのそうし |
1000年頃 清少納言 せいしょうなごん 随筆 |
源氏物語 げんじものがたり |
1008年頃 紫式部 むらさきしきぶ |
和漢朗詠集 わかんろうえいしゅう |
1018年頃 藤原公任 ふじわらのきんとう 詩歌集 |
更級日記 さらしなにっき |
1059年以後 菅原孝標女 ふじわらのたかすえのむすめ |
大鏡 おおかがみ |
1120年頃 未詳 / 歴史物語 |
今昔物語集 こんじゃくものがたりしゅう |
1120年 未詳 / 説話 |
梁塵秘抄 りょうじんひしょう |
1180年前後 後白河法王 ごしらかわほうほう 歌謡 |
千載和歌集 せんざいわかしゅう |
1188 藤原俊成 ふじわらのしゅんぜい 勅撰和歌集 |
山家集 さんかしゅう |
1190年以前 西行 さいぎょう 私家集 |
鎌倉時代
新古今和歌集 しんこきんわかしゅう |
1205年 藤原定家 ふじわらのさだいえ 勅撰和歌集 |
方丈記 ほうじょうき |
1212年 鴨長明 かものちょうめい 随筆 |
金槐和歌集 きんかいわかしゅう |
1213 源実朝 みなもとのさねとも 和歌 |
宇治拾遺物語 うじしゅういものがたり |
1242年以後 未詳/ 説話 |
保元物語 ほうげんものがたり |
成立年代不詳 未詳/ 軍記物語 |
平治物語 へいじものがたり |
成立年代不詳 未詳/ 軍記物語 |
小倉百人一首 おぐらひゃくにんいっしゅ |
1235年 藤原定家 ふじわらのさだいえ |
平家物語 へいけものがたり |
成立年代不詳 未詳/ 軍記物語 |
源平盛衰記 げんぺいせいすいき |
成立年代不詳 未詳/ 軍記物語 |
古今著聞集 ここんちょもんじゅう |
1254 橘成季 たちばなのなりすえ 説話 |
十六夜日記 いざよいにっき |
1279年頃 阿仏尼 あぶつに |
沙石集 しゃせきしゅう |
1283 無住 むじゅう 説話 |
徒然草 つれづれぐさ |
1330年頃 吉田兼好 よしだけんこう 随筆 |
室町時代・安土桃山時代
菟玖波集 つくばしゅう |
1356年 二条良基 にじょうよしもと 准勅撰連歌撰集 |
太平記 たいへいき |
成立年代不詳 未詳/ 軍記物語 |
風姿花伝 ふうしかでん |
1400年 世阿弥 ぜあみ 能 |
新撰犬筑波集 しんせんいぬつくばしゅう |
1524年以降 山崎宗鑑 やまざきそうかん 俳諧連歌 |
江戸時代
好色一代男 こうしょくいちだいおとこ |
1682年 井原西鶴 いはらさいかく 浮世草子 |
日本永代蔵 にっぽんえいたいぐら |
1688年 井原西鶴 いはらさいかく 浮世草子 |
奥の細道 おくのほそみち |
1702年 松尾芭蕉 まつおばしょう 俳諧紀行 |
曾根崎心中 そねざきしんじゅう |
1703年 近松門左衛門 ちかまつもんざえもん 浄瑠璃 |
国性爺合戦 こくせんやかっせん |
1715年 近松門左衛門 ちかまつもんざえもん 浄瑠璃 |
雨月物語 うげつものがたり |
1768年 上田秋成 うえだあきなり 読本 |
解体新書 かいたいしんしょ |
1774年 杉田玄白 すぎたげんぱく |
新花摘 しんはなつみ |
1797年 与謝蕪村 よさぶそん 俳諧 |
古事記伝 こじきでん |
1798年 本居宣長 もとおりのりなが 国学 |
東海道中膝栗毛 とうかいどうちゅうひざくりげ |
1802年 十返舎一九 じっぺんしゃいっく |
花月草子 かげつぞうし |
1803 年 松平定信 まつだいらさだのぶ |
南総里見八犬伝 なんそうさとみはっけんでん |
1814 年 滝沢馬琴 たきざわばきん |
蘭学事始 らんがくことはじめ |
1815年 杉田玄白 すぎたげんぱく |
おらが春 おらがはる |
1819年 小林一茶 こばやしいっさ |
明治時代
学問ノススメがくもんのすすめ |
福沢諭吉 ふくざわゆきち |
小説神髄 しょうせつしんずい |
1885年 坪内逍遙 つぼうちしょうよう |
浮雲 うきぐも |
1887年 二葉亭四迷 ふたばていしめい |
舞姫 まいひめ |
1890年 森鴎外 もりおうがい |
五重塔 ごじゅうのとう |
1891年 幸田露伴 こうだろはん |
たけくらべ |
1895年 樋口一葉 ひぐちいちよう |
にごりえ |
1895年 樋口一葉 ひぐちいちよう |
若菜集 わかなしゅう |
1897年 島崎藤村 しまざきとうそん |
金色夜叉 こんじきやしゃ |
1897年 尾崎紅葉 おざきこうよう |
歌よみに与ふる書 |
1898年 正岡子規 まさおかしき |
武蔵野 むさしの |
1898年 国木田独歩 くにきだどっぽ |
高野聖 こうやひじり |
1900年 泉鏡花 いずみきょうか |
みだれ髪 |
1901年 与謝野晶子 よさのあきこ |
病床六尺 びょうしょうろくしゃく |
1902 年 正岡子規 まさおかしき |
我が輩は猫である わがはいはねこである |
1905年 夏目漱石 なつめそうせき |
破戒 はかい |
1906年 島崎藤村 しまざきとうそん |
坊っちゃん ぼっちゃん |
1906年 夏目漱石 なつめそうせき |
草枕 くさまくら |
夏目漱石 なつめそうせき |
蒲団 ふとん |
1907年 田山花袋 たやまかたい |
田舎教師 いなかきょうし |
1909 年 田山花袋 たやまかたい |
一握の砂 いちあくのすな |
1910年 石川啄木 いしかわたくぼく |
大正時代
阿部一族 あべいちぞく |
1913年 森鴎外 もりおうがい |
赤光 しゃっこう |
1913年 斎藤茂吉 さいとうもきち |
こころ |
1914年 夏目漱石 なつめそうせき |
道程 どうてい |
1914年 高村光太郎 たかむらこうたろう |
羅生門 らしょうもん |
1915年 芥川龍之介 あくたがわりゅうのすけ |
鼻 はな |
1916年 芥川龍之介 あくたがわりゅうのすけ |
明暗 めいあん |
1916年 夏目漱石 なつめそうせき |
高瀬舟 たかせぶね |
1916年 森鴎外 もりおうがい |
友情 ゆうじょう |
1919年 武者小路実篤 むしゃのこうじさねあつ |
暗夜行路 あんやこうろ |
1921年 志賀直哉 しがなおや |
山椒魚 さんしょううお |
1923年 井伏鱒二 いぶせますじ |
伊豆の踊子 いずのおどりこ |
1926年 川端康成 かわばたやすなり |
昭和時代
夜明け前 よあけまえ |
1929年 島崎藤村 しまざきとうそん |
測量船 そくりょうせん |
1930年 三好達治 みよしたつじ |
雪国 ゆきぐに |
1935年 川端康成 かわばたやすなり |
智恵子抄 ちえこしょう |
1941年 高村光太郎 たかむらこうたろう |
細雪 ささめゆき |
1943年 谷崎潤一郎 たにざきじゅんいちろう |
斜陽 しゃよう |
1947年 太宰治 だざいおさむ |
夕鶴 ゆうづる |
1949年 木下順二 きのしたじゅんじ |
金閣寺 きんかくじ |
1956年 三島由紀夫 みしまゆきお |
しろばんば |
1960年 井上靖 いのうえやすし |
以上、『時代別『各時代を代表する文学』一覧 – 読み方付き』を紹介しました。
奈良時代に作られた日本最古の歴史書である『古事記』から昭和時代の名作まで有名な作品を紹介しました。 日本史の教科書などに登場する代表的な文学ばかりですので、知っているものが多くあったのではないかと思います。
これらの作品の名前は知っていても、実際にどういう内容なのかを知らない人はたくさんいるのではないかと思います。 この機会に古い日本の文学に触れてみてはいかがでしょうか?
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