7. 秋の暮らしと行事を表す表現|収穫・祭り・伝統文化を知る
秋は収穫の季節であり、多くの祭りや伝統行事が行われる時期でもあります。「月見」「秋祭り」「稲刈り」「七五三」など、季節と深く関係した行事や日常生活の中に根付く言葉を集めました。
- 月見(つきみ)
中秋の名月を鑑賞する風習。団子やすすきとともに祝う。 - 秋祭り(あきまつり)
五穀豊穣を祈願・感謝する神事や地域の祭礼。秋の風物詩。 - 稲刈り(いねかり)
秋の収穫期に行う農作業。実りの象徴としても使われる。 - 新米(しんまい)
秋に収穫されたばかりの米。季節を感じる味覚。 - 七五三(しちごさん)
11月に行われる子どもの成長を祝う伝統行事。 - 彼岸(ひがん)
秋分の日前後に行う仏教行事。祖先供養を行う期間。 - 重陽(ちょうよう)
9月9日の「菊の節句」。長寿や無病息災を祈る。 - 秋の夜長(あきのよなが)
日が短くなり、夜の時間が長くなる秋特有の感覚。 - 灯火親しむ(ともしびしたしむ)
秋の夜に読書や物思いにふける風習を表す言葉。 - 刈田(かりた)
稲を刈ったあとの田んぼ。収穫後の秋の景色を象徴。 - 栗拾い(くりひろい)
秋の味覚・栗を採る行楽。自然とのふれあいを楽しむ行事。 - 菊人形(きくにんぎょう)
菊の花を使って作られる人形。秋の風物として親しまれる。 - 芋煮(いもに)
東北地方などで秋に行われる芋煮会。季節の食文化。 - 衣替え(ころもがえ)
夏から秋へと服装を変える風習。9月が主な時期。 - 月見団子(つきみだんご)
月見に供える団子。白く丸い形が満月を象徴する。
8. 古典文学に登場する秋の名表現|和歌や俳句から学ぶ季語の世界
万葉集、古今和歌集、源氏物語、俳句など、日本の古典文学には秋を詠んだ美しい表現が数多く存在します。歴史や文化に裏打ちされた言葉の深みを学ぶことで、秋の情景をより理解できるようになります。
- 夕されば
夕方になると。古今集などで秋の夕暮れを詠む際に多用。 - 心なき身にもあはれは知られけり 鴫立つ沢の秋の夕暮れ
西行法師の歌より。自然の美しさに心動かされる情景。 - 秋の田のかりほの庵の苫をあらみ
万葉集の有名な一首。農村の秋の暮らしを詠む。 - 鹿の声
秋に鳴く鹿の声。孤独や寂しさの象徴。『古今集』や『源氏物語』に登場。 - 秋は夕暮れ
『枕草子』冒頭の一節。秋の夕暮れの美しさを絶賛。 - 露の世は 露の世ながら さりながら
一茶の句。露と人の世の無常を重ねた表現。 - 秋風にたなびく雲の絶え間より
『新古今和歌集』。空と風の中に感じる余情。 - 山里は秋こそことにさびしけれ
『古今和歌集』。秋の山里の静けさと寂しさを詠む。 - 名月や 池をめぐりて 夜もすがら
芭蕉の俳句。名月を愛でる風流なひとときの描写。 - 虫の音
秋の夜に響く虫たちの鳴き声。和歌・俳句の定番季語。 - 木の葉時雨
風に舞い散る木の葉の音を、しぐれにたとえた風情ある表現。 - 紅葉散る
視覚的にも情緒的にも秋を代表する短い表現。 - 荻の葉
風に揺れる荻が詠まれることが多く、秋の草原を象徴する。 - 秋の野
秋草が咲き乱れる野辺の風景。『万葉集』などに多く詠まれる。 - 雁渡る
渡り鳥が空を舞う様。秋の深まりと旅愁を象徴。
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