恋すてふ わが名はまだき立ちにけり 人知れずこそ思ひそめしか
【作者】壬生忠見
【意味】「恋している」という私の噂がもう立ってしまった。誰にも知られずにあなたのことをそっと思い始めたばかりだというのに
かくとだに えやはいぶきのさしも草 さしも知らじなもゆる思ひを
【作者】藤原実方
【意味】せめて、こんなに私がお慕いしているとだけでもあなたに言いたいのですが、言えません。「さしも草」のお灸のように、心の中で静かにくすぶり燃えている思いを、君は知らないだろう。
以上、『恋の短歌・和歌 60首一覧 – 口語訳付き』
今とは違い交通網が発達してない時代の人達は、遠くにいる人に会いに行くことも大変でただ待ちわびているというような短歌が多くあったように思います。
愛する人を待ちわびている切なさが伝わってきますね。
恋の形は様々で、切ない、悲しい、忍ぶ恋などいろいろな気持ちを昔の人は歌にして詠んでいたわけです。現代のように便利な機器がないときの恋を表す手法だったのかもしれません。
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