和歌

恋の短歌・和歌 62首一覧 – 口語訳付き|切ない恋、忍ぶ恋、片思いなど

恋の短歌・和歌 60首一覧 - 口語訳付き|切ない恋、忍ぶ恋など 和歌
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音に聞く 髙師の浜の あだ波は かけじや袖の ぬれもこそすれ

【作者】祐子内親王家紀伊
【意味】うわさに高い高師の浜の波のように、浮気者のあなたの言葉は、心にかけずにおきましょう。うっかり心にかけたら、後で涙にくれて袖を濡らしまいそうなので。

 

 

瀬を早み 岩にせかるる 滝川の われても末に 逢はむとぞ思ふ

【作者】崇徳院
【意味】川瀬の流れが早いので、岩にせきとめられた急流が、分かれてたのちにはまたひとつになるように、今は恋しい人と別れても、再び必ず逢おうと思う。

 

 

玉の緒よ 絶えなば絶えねながらへば 忍ぶることの弱りもぞする

【作者】式子内親王
【意味】私の命よ、絶えるなら絶えてしまえ。このまま生きていたら、忍ぶ力が弱まって、この思いを打ち明けてしまいそうになるから。

足引きの 山鳥の尾の しだり尾の ながながし夜を ひとりかもねむ

【作者】柿本人麻呂
【意味】山鳥の長い尾のように長い秋の夜。私は恋しい人と離れて、一人寂しく寝ることであろうか。

 

 

さつきまつ花橘の香をかげば 昔の人の袖の香ぞする

【作者】読人知らず・万葉集
【意味】五月の橘の花の香りに、昔の恋人の衣の香を思い出します。

 

 

信濃なる 千曲(ちくま)の さざれ石も 君し踏みてば 玉と拾はむ

【作者】東歌
【意味】信濃の千曲川の小さな石も、あなたが踏んだのなら宝石と思って拾いましょう。

 

 

多摩川に さらす手作り さらさらに なにそこの児の ここだかなしき

【作者】東歌
【意味】多摩川にさらしている手作りの布のように、どうしてこの娘がは、こんなにも可愛いのだろうか 。

 

 

見渡せば 向かつ峰の上の 花にほひ 照りて立てるは 愛しき誰が妻

【作者】大伴家持
【意味】見渡すと、向こうの峯に咲く花のように立っているのは、誰の愛しい妻であろうか。

 

 

明日香河 淵は瀬になる 世なりとも 思ひそめてむ 人は忘れじ

【作者】よみ人知らず
【意味】飛鳥川の淵が瀬になってしまうように、変わりやすい世の中ですが、愛した人を決して忘れたりはしないでしょう。

 

 

たちかへり泣けども吾は験(しるし)無み 思ひわぶれて寝る夜しぞ多き

【作者】中臣宅守・万葉集
【意味】何度泣いても甲斐がない、あなたを思って悩む夜が多いのです。

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