アツゥイカクラ
北海道南西部にある内浦湾(噴火湾、胆振湾とも呼ばれる)に棲むといわれている巨大なナマコの怪。
口で流木に吸い付いて浮かんでおり、近づく船をひっくり返すといわれている。
川から流れてきたモウル(女の肌着)が変化したものだといわれている。
アラサラウス
体毛がまったくなく、1本の尾を持った巨体の悪獣といわれる。山の崖の穴に住むクマまたは猿のような猛悪な動物で、自在に変身し、人間を捕えて食らうともいう。
イコンタビブ
悪い病を持ち歩く魔魚。厄災をもたらす。
イワイセボ
山にすむ巨大な妖怪。ウサギに似て耳が長く、叫び声は鹿に似ているという。
イワエチシチス
鳥の魔物。鳥の姿ではあるが、牛のような声で鳴く。アイヌ語で”山で呼ぶ者”という。
イワサラウス
大きな体に毛が全くなく、6本の尾がある妖怪。クマの化け物ともいわれる。
イワホイヌ
大きな角と歯を持った山イタチの妖怪。
イワオロペネレプ
「岩を破るもの」を意味する巨鳥。夜鳥の姿をしているが、岩を破壊する力を持つ。
その声を聞いてしまうと、聞いた人は死んでしまうといわれている。
クンツゥカブ
カジキエイに似た魔魚。
ショキナ
アイヌコタンの東側にある大海を根城にしていた巨大な巨大な鯨。
その顎を開けば鼻面が天に届き、下顎の先が海底を削ると言う程の大きさだった。普通の鯨など、まるでイワシを食べるかの如く丸呑みにするし、腹が空けば海中の魚は元より、海に漁に出たアイヌの人々や本州から交易の為にやって来るペンチャイ(アイヌ語で弁財船、即ち北前船を意味する)までひと呑みにしてしまう。
フリカムイ
片翼だけで約七里(約30km)はある巨鳥で、十勝川の上流にある洞窟や、網走の海岸にある洞窟に棲んでいたとされる。
食事の際には海へ出て、鮭や鯨を捕えて食べていたという。
プリカンダカムイ
「はなはだ粗野な者」 という意味を持つ山の魔物。
人食い熊となって現れる。
ヤウシケプ
レブンゲ(虻田郡豊浦町字礼文華)の地に現れた巨大なクモの妖怪。家々を破壊し、土地を荒らし回った。
ライクルエチカップ
死人を食べる妖鳥。野営している人の近くの木に止まり、人を襲う。
アツゥイコロエカシ
北海道室蘭近海の主(ぬし)で、船を飲み込む巨大な赤い化け物。
アプトルヤムペウェンユク
激しい暴風雨を起こす空中の魔物。
イワエツゥンナイ
山の中に棲んでいる一つ目の化け物で、空を飛ぶことができる。
進路が障害物で阻まれている際には、樹木であろうが硬い岩であろうが、どんなものでも突き抜けて飛ぶという。障害物に穴を開けて通り抜けるという説もある。
コチウツナシュグル
「早瀬の男」という意味。激流にいる妖怪。
コヌブキオトグル
川岸を崩す魔物
コロトラングル
アイヌ語で「海上に来るもの」を意味する巨大なエイ。
暴風を起こす海の魔物。
モシリシンナイサム
体に白と黒のまだら模様のある、馬ほどの大きさの妖怪。
村外れの湿地帯にいる。その姿や足跡を目にした者は長生きできず、不幸な人生を送る羽目になってしまうという。
また、色々な動物に姿を変えて人間をつね狙うともいわれている。たとえば、道端にいたはずの鹿が一瞬にしていなくなってしまったら、これはモシリシンナイサムに狙われている証拠だという。
レブンエカシ
「沖の長老」を意味する化け物。
8頭ものクジラを飲む込むという。
あるときに2人の漁師が飲み込まれたが、腹の中で火を焚いたので吐き出されて命拾いしたものの、レブンエカシの毒にあたったのか、頭髪がすべて抜けて頭が禿げ上がってしまったという。
オッケルイペ
「放屁する化け物」を意味し、その名の通り屁の妖怪である。
人が家の中で1人でいるときなど、炉の中で「ポァ」と屁をする。さらに部屋のあちこちで次々に「ポァ」と屁をし、臭いで我慢できないほどになる。人間の方も屁をしてやると、オッケルイペは恐れ入って退散するという。屁が出ないときは、口で音の真似をするだけでも良いという。
ニシヲカムイ
北海道石狩市浜益区に伝わる妖怪。海から陸へ渡る黒い影。上陸すると風のようにその形を捉えられなくなるいう。
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