北海道地方の『アイヌ』民話、伝承などに伝わる妖怪、化け物、怪物や神格化された動物などを一覧にまとめました。
名称がアイヌ語独特のものになっています。
この一覧にはアイヌの妖怪45種類、神格化した動物などのカムイ12種類あります。
アイヌの妖怪一覧
アイヌカイセイ
ボロボロの“アットシ”という、木皮の繊維製の衣服を身にまとった妖怪。空き家や古い家に現れると言われている。
人が眠っていると胸や首を押し付けて苦しめる。
「アイヌカイセイ」の「カイセイ」とは、アイヌ語で“死骸”を意味します。
アイヌソッキ
アイヌ民話で北海道の内浦湾に住むと伝えられる人魚。八百比丘尼の伝説と同様、この人魚の肉を食べると長寿を保つことができるという。
茅部郡森町、二海郡八雲町、山越郡長万部町、虻田郡豊浦町、虻田郡洞爺湖町、伊達市、室蘭市に伝わる妖怪。
アッコロカムイ
北海道の噴火湾に住んでいるとされている大ダコで、湾の主だとも言われている。
足を広げると1ヘクタール、船やクジラなども一呑みにできてしまう程の大きさ。
イシネカプ=ペンタチコロオヤシ
北海道北東部に伝わる妖怪。
「松明をかざすお化け」という意味で、夜中に松明を持って歩き、道を行く人々に様々な怪をなすという。
イワエトゥンナイ
奥山に住む怪鳥で、モシレチクチクイワエチクチクともいわれる。
山の中に棲んでいる一つ目の化け物で、空を飛ぶことができる。
樹木であろうが硬い岩であろうが、どんなものでも突き抜けて飛ぶという。
イワポソインカラ
大きな目の塊のような姿の妖怪。
岩の中に棲んでおり、人間に様々な悪さを働くといわれている。
オキナ
松前に伝わる妖怪
蝦夷の東海に棲息し、春に南の海に行き秋に戻って来るといい、その魚が現れる際には海底から雷鳴のような轟音が響くとともに大波が起こり、餌としておよそ30から50メートルもある鯨を、飲み込む。
キムナイヌ
大雪山に伝わる妖怪。
伝説によれば、石狩川の奥地の山の斜面に、キムナイヌがいるために泊まってはいけないといわれた土地があった。キムナイヌは足が速い上に力も強く、クマでも何でも追いかけて手掴みにして殺すが、タバコに火をつけて差し出せば、人を殺すようなことはしないという
ケナシコルウナルペ
沙流郡二風谷部落、胆振地方や沙流郡に伝わる妖怪。
樹木の空洞や川岸の柳原などに棲んでいる怪女。ざんばら髪で、黒い顔には目や口が無く、親指のような鼻が付いているのみである。
熊を操ることが出来る。
コシンプ
樺太や北海道のアイヌ民話に伝わる精霊。
人間に憑いて様々な悪事を働くといい、これらに憑かれると、どんな者でも何年かのうちに必ず死んでしまうともいう。
コシンプは好きな男のトゥレンペ(憑き神)になることもあり、そのときには善神として、憑いた男を良い運命へと導くという。
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