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日本の伝承『稲荷神、お狐さま、妖狐、化け狐』名前・種類一覧【40選】

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日本の伝承『稲荷神、お狐さま、妖狐、化け狐』名前・種類一覧 一覧
日本の伝承『稲荷神、お狐さま、妖狐、化け狐』名前・種類一覧
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妖狐の別称

妖狐や化け狐、あるいは普通の狐を以下の呼び名で呼ぶこともあるようです。

伊賀専(いがたうめ)

伊賀専(いがたうめ)は、狐を指す古い別称のひとつとされています。 地域により表記・発音が異なり、江戸期の随筆や地口(言葉遊び)で見られることがある語です。 「いがたうめ」という言葉自体の由来ははっきりしませんが、 “狐を婉曲に呼ぶ名称”として分類され、 他の「けつね」「こんこん」などと同じ、狐の俗称グループに含まれます。 ※民俗学的には用例が限られる語のため、紹介の際は「古い俗称のひとつ」と補足すると適切です。

おこんこんさま

「おこんこんさま」は、狐を親しみを込めて呼ぶ民間の呼び名です。 “こんこん”という鳴き声の擬音から生まれた語で、幼児語・方言的な響きを持ちます。 主に西日本〜中部で確認され、 – 稲荷神の眷属としての狐 – 田畑の守り神としての狐 を指すことが多く、「お稲荷さまの狐」への敬意を柔らかく表現した呼び名と考えられます。

おとうか

「おとうか」は、狐を指す古い呼び名で、「稲荷(とうか)」を敬って呼んだ言葉が由来とされています。 「お」は尊敬や丁寧を表す接頭語で、 「お(尊称)+とうか(稲荷)」=おとうか という形になったものと考えられています。

けつね

「けつね」は、狐(きつね)の古い音変化・方言形です。 関西地方・東海地方などでよく見られ、現代でも 「けつねうどん(=きつねうどん)」 として広く使われているため、全国にその名残が残っています。 この言い方は、古語の音変化をとどめており、 狐の伝承が生活文化に根付いてきた証拠ともいえます。

 

以上、『日本の伝承「稲荷神・お狐さま・妖狐・化け狐」名前・種類一覧』を紹介しました。

江戸末期の随筆『善庵随筆』に記された皆川淇園の説では、狐には

「天狐 → 空狐 → 気狐 → 野狐」

という階位があり、上位の狐ほど霊性が高く、人の目には姿を見せない存在とされます。
最上位の天狐は“神に等しい存在”とも語られ、古来より特別な敬意をもって扱われてきました。

一方で、身近な怪異としての野狐や、地域ごとに語り継がれた化け狐の物語など、
人々の暮らしと深く結びついた狐の姿も多く残されています。

神に近い霊狐から、郷土に息づく民話の狐まで——
日本でこれほど多様な狐の伝承が生まれた背景には、
「自然への畏れ」「未知への想像力」「神仏への信仰」といった
日本人の価値観が色濃く反映されています。

こうして狐をたどっていくと、
古来、日本人にとって狐は恐れられる存在であると同時に、
寄り添い、守り、時に道を示してくれる“特別な存在”であったことがわかります。

現代に残る稲荷信仰や多彩な民話は、
狐がいかに長い年月、私たちの文化と共に歩んできたかを物語っています。

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