「言葉の力」が未来を左右する──知っておきたい“縁起が悪い言葉”とは?
「知らなかったでは済まされない」――それが日本文化に根ざす言葉のマナー。
特に冠婚葬祭では“忌み言葉”をうっかり使ってしまうと、失礼だけでなくトラブルの火種になることも。
ここでは、結婚式・葬式・日常の会話で避けるべき縁起が悪い言葉を、シーン別に100語紹介。
マナー講座やオンライン日本語教育の資料としても活用でき、日本文化への理解を深めたい方やライター・講師にもおすすめです。
縁起の悪い言葉一覧
これらの言葉は、場面によって『忌み言葉』と呼ばれ、縁起を担ぐ文化の中では避けることが推奨されています。すべてのケースに当てはまるわけではありませんが、配慮として知っておくと安心です。
💒 結婚式で避けたい言葉
理由:別れ・再婚・不和などを連想させるため
- 別れる:夫婦が離れることを示唆
- 切る:縁を断ち切るイメージ
- 終わる:結婚生活の終了を暗示
- 戻る:元の関係に戻る=離婚の印象
- 離れる:物理的・心理的距離感を連想
- 壊れる:関係の破綻をイメージ
- 消える:存在の喪失を連想
- 再び:再婚や繰り返しの印象
- たびたび:不幸の連鎖を暗示
- くれぐれも:繰り返しの表現=縁起が悪い
- 重ねる:再婚を示唆することも
- 繰り返す:不幸の連続を連想
- 分ける:分裂・分配のイメージ
- 返す:贈り物や関係を返却する印象
- 失敗:結婚の成功を否定
- 絶える:家系が続かないイメージ
- 苦労:困難な未来を想像させる
- 困る:生活上の苦境を連想
- 悲しい:祝いの場には不向き
- 寂しい:孤独を印象づける
- 亡くなる:死の連想でNG
- 散る:儚さ・別離の象徴
- 滅ぶ:家の終焉を意味する
- 断ち切る:縁を完全に切る印象
- 終電:帰れコールのように感じられる
- 急ぐ:慌ただしく離縁を連想
- 火:火事、火の車など不和の象徴
- 赤:炎・血など縁起の悪い連想もあり
- 落ちる:低下・失敗のイメージ
- 滑る:試験や人生に失敗するイメージ
⚰️ 葬儀・法事でNGな言葉
理由:不謹慎な明るさや死を直接表す言葉がタブー
- 生きてるうちに:死を強調する表現
- 死ぬ:直接的すぎて不適切
- 亡くなる:穏やかだが、場によっては禁句
- 消える:存在が消滅するイメージ
- 浮かばれない:成仏できない印象を与える
- 長生き:場違いな言葉に聞こえる場合も
- 喜び:場にそぐわない感情
- 笑う:冗談でも慎むべき場面
- 盛大:派手さが不謹慎に映ることも
- 祝う:完全に祝いの言葉でNG
- 楽しい:死を軽視する印象になりかねない
- おめでとう:最大級のNGワード
- 拍手:基本的には不謹慎とされる
- 喜劇:悲しみの場と対極にあるため不適切
- 幸せ:場に対する配慮に欠ける印象
- 冗談:場にそぐわない軽さを含む
- 成功:死を否定的にとらえる形になる
- 美しい死:聞きようによっては不謹慎
- 舞台:演出的すぎる比喩表現
- 景気がいい:不幸の場には場違い
🎎 数字・慣習・語呂に基づくタブー
理由:語感や縁起によるタブー意識
- 4(し):「死」と同音で不吉
- 9(く):「苦」と同音で嫌われる
- 42(しに):死に通じる語呂合わせ
- 49(しく):死苦=最悪の組み合わせ
- 666:西洋由来の悪魔の数字
- 13:不吉とされる欧米由来の数
- 火:災害や争いを象徴
- 赤:火や血を連想し、慶弔で避けられることも
- 落ちる:失敗・転落を連想
- 滑る:試験・人生の失敗を示唆
- 倒れる:病気や事業の失敗
- 絶える:命や家系の終わり
- 滅びる:社会や家の終焉
- 崩れる:安定が失われるイメージ
- 折れる:挫折の象徴
- 終わる:計画や関係の終焉
- 忘れる:死者や故人への不敬となる
- 苦しい:苦難の未来を感じさせる
- 痛む:身体的・精神的破綻
- 病む:健康不安の暗示
- 呪う:負の感情を強く表現
- 衰える:力の減退・運勢低下
- 消耗する:活力を失うイメージ
- 中止:計画の破綻を連想
- 下り坂:状況が悪くなる予兆
🎯 その他の場面で注意したい言葉
理由:商談、受験、出産、医療など各分野における配慮
- 倒産:ビジネス場面で最も避けたい言葉
- 不合格:受験生にNGな言葉
- 破れる:計画の失敗や目標未達を意味する
- 崩壊:システム・体制の終焉
- 落ちこぼれ:否定的評価、侮辱的表現
- 中止:勢いを止める印象
- 流産:妊娠関係では最大級のタブー
- 重病:お見舞いの場ではNG
- 命がけ:軽々しく使うと逆効果
- 下り坂:衰退や不運の象徴
- 疲れる:エネルギーの低下を印象付ける
- ボロボロ:心身の劣化を連想させる
- 面倒:相手を軽視する印象を与える
- くだらない:価値を否定する表現
- どうでもいい:無責任に聞こえる
- 忘れる:敬意や配慮の欠如
- 迷惑:ストレートに不快感を与える
- うるさい:トゲのある表現
- 割れる:割り勘や不一致を連想
- 負ける:勝負事ではタブー
- 滅入る:気分の低下を助長
- 壊す:人間関係や信頼の破壊を暗示
- 変わる:状況が不安定になる印象
- 脱落:グループからの離脱を連想
- 悪い:否定ワードとして避けるべき場合あり
縁起の悪い言葉から、言葉の力を学ぼう
言葉は文化の鏡であり、気づかぬうちに私たちの信頼関係や空気を左右しています。
「縁起が悪い言葉」を知ることは、タブーを避けるためだけではありません。
相手を思いやる心、場の空気を読む感性、そして“文化的リテラシー”を身につける第一歩です。
この知識を生かせば、あなた自身が「マナー講座の先生のようだ」と評価される日も近いかもしれません。
日常の言葉選び一つで、相手との距離はもっと縮まる。
それが、日本語の奥深さであり、言霊の魔法なのです。
💬 よくある質問(FAQ)
Q1. 縁起が悪い言葉って誰が決めたの?
A. 日本の言語文化や慣習に根ざした“言霊”の思想や、冠婚葬祭のマナーから自然と形成されてきたものです。特定の個人が決めたものではなく、社会的・歴史的に定着しています。
Q2. 忌み言葉を結婚式で使うとどうなるの?
A. 「別れる」や「切る」などの言葉は、無意識のうちに不吉な印象を与えてしまい、招待客や当事者を不快にさせる恐れがあります。縁起を担ぐ文化の中では、避けるのがマナーとされています。
Q3. 縁起が悪い数字はどうして避けられるの?
A. 「4=死」「9=苦」など、発音と意味が連想される語呂合わせが主な理由です。特にお祝いごとや病院では強く忌避されます。
Q4. ビジネスメールでも縁起が悪い言葉は避けるべき?
A. はい。特に冠婚葬祭関係や病院・お見舞い・採用通知など、場面に応じた慎重な言葉選びが信頼感につながります。
コメント