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和歌

心にしみる雨の和歌50選|万葉集の情景と恋心をたどる

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心にしみる雨の和歌50選|万葉集の情景と恋心をたどる 和歌
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  1. さを鹿の心相思ふ秋萩のしぐれの降るに散らくし惜しも
    (鹿が相手を想うように、秋萩が時雨に散るのが惜しまれてならない)
  2. 白露に争ひかねて咲ける萩散らば惜しけむ雨な降りそね
    (白露に抗して咲いた萩が、もし散ってしまうなら、それは惜しい。雨よ、降らないで)
  3. 九月のしぐれの雨に濡れ通り春日の山は色づきにけり
    (九月の時雨に濡れて、春日の山はすっかり色づいてしまった)
  4. しぐれの雨間なくし降れば真木の葉も争ひかねて色づきにけり
    (時雨が途切れず降り続けるので、真木の葉も競うように色づいた)
  5. 思はぬにしぐれの雨は降りたれど天雲晴れて月夜さやけし
    (思いがけず時雨が降ったが、雲が晴れて澄んだ月夜になった)
  6. 一日には千重しくしくに我が恋ふる妹があたりにしぐれ降れ見む
    (一日に何度もしとしとと降るように、恋しい人のあたりにしぐれが降っていれば見に行こう)
  7. 黄葉を散らすしぐれの降るなへに夜さへぞ寒きひとりし寝れば
    (黄葉を散らす時雨が降るうえに、夜も寒く、ひとり寝の寂しさが募る)
  8. 秋萩を散らす長雨の降るころはひとり起き居て恋ふる夜ぞ多き
    (秋萩を散らす長雨の季節には、独り起きて恋い慕う夜が多くなる)
  9. 笠なしと人には言ひて雨障み留まりし君が姿し思ほゆ
    (笠がないと人に言い訳して、雨を理由に逗留したあの人の姿が思い出される)
  10. 妹が門行き過ぎかねつひさかたの雨も降らぬかそをよしにせむ
    (妹の門前を通り過ぎられず、久方の雨よ降ってくれ、それを口実にしよう)
  11. 楽浪の波越すあざに降る小雨間も置きて我が思はなくに
    (楽浪の波を越えて降る小雨よ、絶え間なく降るように、私の想いも止まらない)
  12. 雨も降り夜も更けにけり今さらに君去なめやも紐解き設けな
    (雨も降り夜も更けた。今さらあなたが帰るはずもない、紐を解いて支度を整えましょう)
  13. ひさかたの雨の降る日を我が門に蓑笠着ずて来る人や誰れ
    (久方の雨が降る日、蓑笠も着けずに私の門を訪ねてきたのは誰だろう)
  14. ひさかたの雨も降らぬか蓮葉に溜まれる水の玉に似たる見む
    (久方の雨よ、どうか降っておくれ。蓮の葉に溜まった水玉のような美しいものを見てみたい)
  15. ひさかたの雨は降りしくなでしこがいや初花に恋しき我が背
    (久方の雨が降り続く中、なでしこの咲き始めの花が、恋しいあの人に思えてならない)
  16. 苦しくも降り来る雨か三輪の崎狭野の渡りに家もあらなくに
    (なんとつらく降ってくる雨だろうか。三輪の崎から狭野の渡し場には、雨宿りできる家もないというのに。)
  17. 春の雨はいやしき降るに梅の花いまだ咲かなくいと若みかも
    (春の雨はしとしとと降っているが、我が家の梅の花はまだ咲いていない。とても若い木だからだろうか。)
  18. 春雨を待つとにしあらし我がやどの若木の梅もいまだふふめり
    (春雨を待っているうちに、我が家の若い梅の木もまだつぼみのままである。)
  19. ひさかたの雨の降る日をただ独り山辺に居ればいぶせかりけり
    (空のかなたから雨が降る日、ひとり山のほとりにいると、何とも気が晴れずもの憂く感じられる。)
  20. 春雨のしくしく降るに高円の山の桜はいかにかあるらむ
    (しとしとと春雨が降る中、高円の山の桜は今どうしているだろうか。)
  21. 時待ちて降れるしぐれの雨やみぬ明けむ朝か山のもみたむ
    (時を待って降っていた時雨がようやく止んだ。明ける朝には、山の紅葉を見に行こうか。)
  22. 時雨の雨間なくし降れば御笠山木末あまねく色づきにけり
    (時雨が絶え間なく降るので、御笠山の木々の梢がすっかり色づいてしまった。)
  23. 大君の御笠の山の黄葉は今日の時雨に散りか過ぎなむ
    (大君の御笠山の紅葉は、今日の時雨で散ってしまうのだろうか。)
  24. 明日香川行き廻る岡の秋萩は今日降る雨に散りか過ぎなむ
    (明日香川のほとりを巡る岡に咲く秋萩は、今日降る雨で散ってしまうのだろうか。)
  25. 秋の雨に濡れつつ居ればいやしけど我妹が宿し思ほゆるかも
    (秋の雨に濡れながらじっと座っていると、物寂しいけれど、愛しいあの人の家のことが思い出されてならない。)

 

和歌に見る“雨”の多様な意味を、現代に伝える

雨は、恋しさや孤独、自然への感謝と恐れ、人生の儚さまでも象徴してきたのです。
万葉集の和歌から見えてくるのは、1300年以上の時を超えてなお人の心に響く“普遍の感情”。
この情緒を、教育や自己探求、文化学習に役立ててみませんか?
雨の和歌は、古典の知識を深めるだけでなく、心の琴線にふれる“学びの習慣”にもなり得るのです。

 

❓よくある質問(FAQ)

Q. 万葉集には雨の和歌がどれくらいありますか?
A. 万葉集には100首以上の雨に関する和歌が収録されており、恋や旅、自然への想いを雨とともに詠んでいます。
Q. 「ひさかたの雨」とはどういう意味ですか?
A. 「ひさかた」は“空”を指す枕詞で、「ひさかたの雨」は「空から降る雨」の意味を強調する表現です。
Q. 万葉集の雨の和歌は教育や試験にも使えますか?
A. はい。古典文学や国語の教材として、表現技法や情景描写の学習に役立ちます。
Q. 雨の和歌にはどんな感情が込められていますか?
A. 恋しさ、孤独、自然への畏敬、無常観など、多様な感情が雨とともに繊細に詠まれています。

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