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『寸』を使った四字熟語・慣用句・ことわざ・言葉 一覧

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『寸』を使った熟語・慣用句・ことわざ・言葉 一覧
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日本で昔から使われている長さの単位に『寸』というものがあります。これは、尺貫法と言われる単位系でアジアに広く広まっている単位で日本では現在でも使われています。

『寸』は、日本では約 30.303 mmであり、尺の10分の1と定義されています。

この長さを表す『寸』は、たくさんのことわざや四字熟語などに使われています。

ここでは、その『寸』にまつわる言葉を紹介していきます。

 

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『寸』を使った言葉

 

一寸戸(いっすんど)

戸や障子をぴったり閉めずに、少し閉め残すこと。行儀の悪いこととされる。

 

一寸試し(いっすんだめし)

少しずつ切り刻んで、なぶり殺しにすること。

 

一寸やらず(いっすんやらず)

少しも見のがさないこと。

 

五寸釘(ごすんくぎ)

長くて大きい釘のこと。
丑の刻参りで呪いをかけるために藁人形に打ち込む描写が有名。

 

八寸(はっすん)

会席料理の前菜で、8寸(約24cm)四方の低いふちのある盆に盛り付けた料理。

 

一寸足(いっすんあし)

小股で歩くこと。

 

一寸板(いっすんいた)

厚さ一寸の板。実際の製材では八分五厘(約二・六センチメートル)ぐらい。

 

一寸法師(いっすんぼうし)

日本の伽話の一つ。御伽草子 (おとぎぞうし) 23編の一つ。

 

一尺三寸(いっしゃくさんずん)

懐剣の異称。刃渡りが一尺三寸(約四〇センチメートル)ある。

 

一尺八寸(いっしゃくはっすん)

江戸時代、揚げ代が18匁(もんめ)であったところから囲ひ女郎の異称。

笠(かさ)の直径が1尺8寸(約54.5センチ)であったところから笠雲の異称。

 

『寸』を含む熟語

 

七寸(みずつき)

馬の手綱の端を結びつける轡(くつわ)の部分名。

 

寸胴(ずんどう・ずんど)

上から下まで同じように太いこと。

 

寸描(すんびょう)

きわめて簡単な描写。

 

寸暇(すんか)

ほんの少しのあき時間。

 

寸頃(すんころ)

ほどよい長さ。

 

寸陰(すんいん)

わずかの時間。

 

寸楮(すんちょ)

短い手紙。

 

寸莎(すさ)

壁の補強、亀裂防止などのために、壁土に混ぜ込む藁屑(わらくず)・糸屑など。

 

寸秒(すんびょう)

ほんのわずかな時間。

 

寸意(すんい)

わずかばかりの気持ち。

 

寸志(すんし)

いささかの志。心ばかりの贈り物。

 

寸心(すんしん)

ほんの少しの気持ち。

 

寸恩(すんおん)

少しの恩。わずかな恩恵。

 

『寸』を含む四字熟語

 

 

舌先三寸(したさきさんずん)

口先だけでうまく相手をあしらうこと。

 

寸進尺退(すんしんしゃくたい)

少し進んで、大きく後退してしまうこと。

 

九腸寸断(きゅうちょうすんだん)

非常に悲しいことの形容。

 

口耳四寸(こうじよんすん)

耳と口との間隔が近い意。聞いたことを、自分では理解できないまま、他に受け売りすること。

 

三寸不律(さんずんふりつ)

長さ3寸の短い筆。不律は筆のこと。

 

一寸光陰(いっすんのこういん)

ほんのわずかな時間のこと。

 

一寸丹心(いっすんのたんしん)

いつわりのない真心。

 

尺寸之功(せきすんのこう)

ほんのわずかの功績のこと。

 

寸指測淵(すんしそくえん)

考えの浅い軽はずみな行動。

 

寸善尺魔(すんぜんしゃくま)

この世の中には、よいことが少なく悪いことばかりが多いたとえ。

 

寸草春暉(すんそうしゅんき)

父母の恩・愛情は大きく、子がほんのわずかさえ報いるのがむずかしいことのたとえ。

 

寸鉄殺人(すんてつさつじん)

ちょっとした一言や批評で、ずばりと他人の急所や弱点を突くこと。

 

尺寸之地(せきすんのち)

ほんの少しということのたとえ。

 

尺寸之柄(せきすんのへい)

ごくわずかな権力。

 

尺短寸長(せきたんすんちょう)

人や物は、それぞれ長所と短所があって、時と場合で評価も変わるということ。

 

寸田尺宅(すんでんしゃくたく)

少しの財産のこと。

 

寸歩難行(すんぽなんこう)

非常に苦しい立場に立たされ、どうすることも出来ない状態のたとえ。

 

寸歩不離(すんぽふり)

距離をおかず、すぐそばにいること。 非常に密接な関係にあること。

 

尺山寸水(せきざんすんすい)

高い山から下を見下ろした眺め、景観のこと。

 

『寸』を含むことわざ

 

 

一寸の光陰軽んずべからず(いっすんのこういんかろんずべからず)

わずかな時間でもむだに過ごしてはいけない。

 

一寸の虫にも五分の魂(いっすんのむしにもごぶのたましい)

どんな弱小なものにも、それ相応の意地や考えがあって、ばかにしてはいけないということのたとえ。

 

一寸先は闇(いっすんさきはやみ)

ほんの少し先のことも全く予知できないことのたとえ。

 

下種の一寸、のろまの三寸、馬鹿の開けっ放し(げすのいっすん、のろまのさんずん、ばかのあけっぱなし)

戸を閉める時に、下種は一寸閉め残し、のろまな者は三寸閉め残し、愚か者は開けっ放しにしてしまう。どんな人柄か戸の閉め方ひとつでわかるということ。

 

三寸の舌に五尺の身を亡ぼす(さんずんのしたにごしゃくのみをほろぼす)

不注意な発言が原因で身を滅ぼすこともあるから、口は慎まなければならないという戒め。

 

三寸の見直し(さんずんのみなおし)

物事は、詳しく点検すれば多少の欠点は見つかるということ。

少の欠点は見慣れれば気にならなくなるということ。

 

 

三寸俎板を見抜く(さんずんまないたをみぬく)

厚さ3寸のまな板の裏まで見通す。物事を見抜く力の鋭いことのたとえ。

 

 

一寸延びれば尋延びる(いっすんのびればひろのびる)
当座の困難を何とかしのいでいけば、先に行って楽になるということのたとえ。

 

 

蛇は寸にして人を呑む(じゃはすんにしてひとをのむ)

すぐれた人は、幼いときから普通の人と違ったところがあるというたとえ。

 

 

寸を曲げて尺を伸ぶ(すんをまげてしゃくをのぶ)

小利を捨てて大利を得るたとえ。

 

 

人の一寸、我が一尺(ひとのいっすん、わがいっしゃく)

他人の欠点なら小さなことでも見落とさないが、自分の欠点は、大きな欠点でも気がつかないこと。

 

 

美味も喉三寸(びみものどさんずん)

食べ物がおいしいと感じるのはのどを通る一瞬であることから、楽しいことは一瞬しか続かないというたとえ。

 

 

寸陰を惜しむ(すんいんをおしむ)

わずかの時間も大切にするということ。

 

 

寸鉄 人を刺す(すんてつ ひとをさす)

短い刃物で人を刺し殺すの意。短く鋭い言葉で人の急所をつくたとえ。

 

 

胸三寸に納める(むねさんずんにおさめる)

心の中にしまい込んで、顔にも言葉にも出さないでいる。

 

 

尺も短き所あり、寸も長き所あり(しゃくもみじかきところあり、すんもながきところあり)

尺でも短くて足りない場合があり、寸でも長すぎる場合がある。事柄によっては賢者も劣ることがあり、愚者が勝る場合もあるということ。

 

以上、《『寸』を使った四字熟語・慣用句・ことわざ・言葉 一覧》を紹介しました。

長さの単位である『寸』をうまく使った言葉は、センチメートルやメートルでは表現できない巧みさがありますね。

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