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暖簾(のれん)のうんちく小話 種類・色・由来

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暖簾(のれん)のうんちく小話 種類・色・由来 伝統
暖簾(のれん)のうんちく小話 種類・色・由来
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日本の伝統の室礼(しつらい)には、欠かせない調度や建具の数々。屏風(びょうぶ)や暖簾(のれん)、衝立(ついたて)、簾(すだれ)、簀戸(すど)、障子、襖(ふすま)、窓、板戸、畳に意匠。
どれについても奥が深く、話題にしたい題材ですが、毎年、何かと注目される「源氏物語」に出てくる几帳(きちょう)が始まりとされる「のれん」の世界をのぞいてみましょう。

のれんとは、源氏物語以外にも説があります。
禅家で冬のすき間風を防ぐのに用いられた垂れ幕が最初ともあります。どちらにせよ、「とばり」、「たれぬの」、「たれむし」と呼ばれており、それが、「ノウレン」、「ノンレン」に変わり、「ノレン」になり、当て字で暖簾を付けたとされています。

また、「暖簾分け」、「暖簾を傷付ける」、「暖簾を下ろす」の言葉があるように、布を合わせただけの物ですが、家または家業の象徴にもなっているところが面白いですね。

 

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■暖簾の種類

 

住空間を区切る調度の中で、いちばん軽く、ソフトなのが暖簾です。種類もさまざまなので、どんな物があるのか見ていきましょう。
※尺…30.303cm 寸…3.0303cm

 

・長暖簾(ながのれん)…外から内部が見えないように掛けます。丈は、5尺7寸程度。

・半暖簾(はんのれん)…長暖簾の半分程度の丈。すし店、そば店などによく使われます。

・水引暖簾(みずひきのれん)…屋号や商標などを染めた、看板代わりの暖簾。

・床暖簾(とこのれん)…店と奥の境に掛け、奥の様子を見えないようにします。座敷暖簾、床敷き暖簾とも呼ばれます。

・くぐり暖簾…店から奥へ通じる場所に掛けたもの。明るい色を使います。

・太鼓暖簾(たいこのれん)…日除け用に使います。風抜きがないので、バタバタとする音から名前がきています。

・祭り暖簾…祝い事の日に座敷に掛けます。

・花嫁暖簾…花嫁が持参し、花嫁道具を飾った部屋に掛けます。加賀暖簾とも呼ばれます。

・花暖簾…役者が楽屋口に掛けます。

・玉暖簾…台所の入り口に掛けます。

・縄暖簾…飲食店の出入口に掛けます。

 

■暖簾の布地

 

・麻…生麻を主に使います。麻の風合いを生かすために、生成りのまま用いるのが一般的です。質感から夏に多く用いますが、お客さまの入店が分かりやすいので、冬場でも用いる商家もたくさんあります。

・木綿…麻は湿気を呼びやすく、丸まりやすいので、湿気の多いところや透けては困る場所に木綿を用います。

・絹…加賀暖簾など特殊な暖簾に用いられます。ちなみに、のれんは、小幅の物を3枚、5枚、7枚と奇数で用います。奇数は陽の数とする古来の考え方です。陽の数は繁盛させるという意味もあります。

 

■暖簾の色

 

現在では、暖簾の色は、好みで決められていますが、かつては、業種によって決まっていました。

・紺または藍色…暖簾の代表的な色です。藍染めは、直射日光に強く、日除けに最適です。固い商売のお店に使われていました。

・白…薬商など清潔感を重んじるお店で多く使われていました。

・浅葱色(あさぎいろ)…黄緑がかった水色。相撲茶屋、水茶屋、芝居茶屋など遊行の場に用いられていました。

・縹色(はなだいろ)…薄い藍色。水商売に多く用いられていました。

・茶色…たばこ商で多く用いられていました。

また、暖簾の竿を通す部分を「乳(ち)」、「乳布(ちぎれ)」とも呼びます。風抜きの止まりに布地を結び付けたものを「露」、「蝶々」とも呼びます。吉原では、初めての遊女がお店に出たときには目印で赤の露を付けたと言われています。

 

最後に

 

近代化や合理化が進んだ現代では、個人のプライバシーの尊重が徹底されています。しかし、プライバシーが保たれてはいますが、人が気軽に集う場が失われたのも事実です。SNSやモバイルの台頭で、会わなくても何でもできると言う人はいますが、暮らしとは、ときには赤の他人同士でも助け合うことが必要です。住居は刑務所ではないはずです。

暖簾1つ程度の隔たりで、言葉はなくとも、別々でバラバラなことを行っていても、見えない絆ができるのではないでしょうか。

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