3. 秋の空・月・天候を表す美しい言葉|季節の移ろいを感じる表現
秋は空が澄み、月が美しく見える季節。そんな秋特有の気象や空の様子を表す言葉には、風情ある響きと深い意味が込められています。
- 名月(めいげつ)
中秋の名月(十五夜)をはじめとする、美しい満月のこと。 - 夜長(よなが)
秋は日が短く、夜が長く感じられることから生まれた表現。 - 秋晴れ(あきばれ)
秋特有の澄み渡った快晴。爽やかで湿度が低い天気。 - 天高し(てんたかし)
秋の空が高く澄み渡って見える様子を表す季語。 - 秋雲(あきぐも)
秋に見られる特徴的な雲。巻積雲(うろこ雲)などが代表。 - 鱗雲(うろこぐも)
魚のうろこのように見える小さな雲。秋の空の象徴。 - 秋霖(しゅうりん)
秋にしとしとと続く長雨。初秋に多い天候。 - 露(つゆ)
朝夕に草木につく水滴。はかなさや移ろいの象徴でもある。 - 露寒(つゆさむ)
朝露により感じられる秋の冷え込み。 - 秋気(しゅうき)
秋の空気感。澄んだ冷気を含む気配を表す漢語。 - 月光(げっこう)
秋の夜空に照る月の光。幻想的な風景を連想させる。 - 清秋(せいしゅう)
空気が澄み、過ごしやすい秋を表す上品な漢語表現。 - 寒露(かんろ)
秋が深まり、露が冷たく感じられる二十四節気のひとつ。 - 雁渡し(かりわたし)
雁が渡ってくるころに吹く風。秋の空気の変わり目を示す。 - 月白(げっぱく)
月の光に照らされた薄白い夜空の色。詩的な表現。
4. 秋の音・香り・気配を感じさせる言葉|五感で楽しむ日本語表現
秋の虫の音、落葉の音、稲の実る香りなど、五感を通じて秋を感じる表現は日本語の大きな魅力の一つです。「しぐれ」「虫時雨」「かすかな香り」といった微細な感覚を言葉にした表現を集めました。
- 虫時雨(むししぐれ)
秋の夜、虫の声が一斉に鳴り響く様子。雨音のように聞こえることから。 - 虫の音(むしのね)
秋の風物詩。鈴虫やこおろぎなどの鳴き声。 - 風の音(かぜのおと)
秋風が草木を揺らす音。もの寂しい情景と結びつきやすい。 - 木の葉時雨(このはしぐれ)
木の葉が落ちるときのカサカサという音を、しぐれに見立てた表現。 - しぐれ(時雨)
秋から初冬にかけて降る、細かく冷たい通り雨。風情ある語。 - 香煙(こうえん)
お香や焚き火の煙の香り。秋の祭事や仏事とも関係。 - 焚き火(たきび)
肌寒い季節に暖をとる行為。煙や火の香りが秋を連想させる。 - 燻香(くんこう)
木を燻したときの香り。秋の山間部や囲炉裏のイメージに結びつく。 - ひややか
肌に感じる秋の冷たさを表すやさしい語感の形容詞。 - 涼し(すずし)
夏の暑さから一転して感じられる、秋の涼やかさ。 - 物の音(もののおと)
静かな秋の中でふと耳に入る小さな音全般。寂寥感とともに。 - 秋風の音(あきかぜのおと)
耳に切なく響く風の音。心情描写にも多用される。 - そよ風(そよかぜ)
優しく吹く風。秋は特に感覚的に表現されることが多い。 - 燈火(ともしび)
夜が長くなる季節に灯す明かり。秋の静けさに映える。 - 秋の気配(あきのけはい)
虫の声や空気の冷たさなど、五感で感じる秋の到来。
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