『蕪村妖怪絵巻』(ぶそんようかいえまき)は、江戸時代中期の俳人・画家である与謝蕪村が書いた日本の妖怪絵巻のことです。
宝暦4年から7年(1754年-1757年)にかけて丹後国宮津(現・京都府宮津市)で絵の修行をしていた間に描かれたものと推察されてます。
全部で8点の妖怪が描かれており、妖怪の絵とその名称を紹介しているものや、その妖怪に関する物語を綴ったものまであります。そのため、蕪村が日本各地を旅していた時期に、あちこちで伝え聞いた妖怪譚を描いたものでないかと考えられているようです。
『蕪村妖怪絵巻』妖怪一覧
榊原家の化け猫
林一角坊の前に現れた赤子の怪
京都帷子が辻のぬっぽり坊主
横手のうぶめ
鎌倉若八幡銀杏の化物
遠州の夜なきばば
山城の真桑瓜の化物
木津の西瓜の化物
与謝蕪村の代表作 《俳句》
与謝蕪村(1716年 – 1784年)江戸時代中期の俳人、画家です。
松尾芭蕉、小林一茶と並び称される江戸俳諧の巨匠の一人であり、江戸俳諧中興の祖といわれました。また、俳画の創始者でもあり、写実的で絵画的な発句を得意としました。
「蕪村句集」より
春の海 ひねもす のたり のたりかな
意味:うららかな春の日、海は一日じゅうのたりのたりと、おだやかにうねっていることよ。
菜の花や 月は東に 日は西に
意味:見わたすかぎり菜の花畑で、春の一日がくれようとして、月が東の空にのぼり、日は西の空にしずもうとしている。
菜の花や 鯨もよらず 海暮れぬ
意味:一面の菜の花の海には鯨も寄り付かず、ただ穏やかな海のように一日が暮れてゆく
五月雨や 大河を前に 家二軒
意味:五月雨が降り続いて勢いを増した川が流れている。そのほとりには、二軒の家が寄り添うように建っている。
夏河を 越すうれしさよ 手に草履
意味:流れも浅い夏の川を、手に草履を持ってわたると、水が冷たくて気持ちよく、嬉しくなってくる。
以上、『蕪村妖怪絵巻』妖怪一覧と俳句の代表作を紹介しました。
与謝蕪村は、俳句ばかりだけではなく 画家としても有名で日本の文人画(南画)の大成者とされてて、蕪村妖怪絵巻の他にもたくさんの絵画を残しています。
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