歴代の横綱や大関の昇進伝達式に力士が述べる所信表明である『口上』を一覧にまとめました。
明治36年(1903年)に常陸山谷右エ門が横綱免許を打診された際、「できれば二代目梅ヶ谷藤太郎と一緒にお願いしたい」と答えたと言われており、これが現在のような伝達式の最初ではないかと言われています。
相撲協会によると伝達式の口上が現在のように「謹んでお受け致します…」という形が定着したのは昭和40年代ごろであり、初代・若乃花(当時若ノ花、1955年10月)は「ありがたくお受けします」、大鵬(1960年11月)は「喜んでお受けします。これからも頑張ります」のようにシンプルなものだったようです。
現在では口上の際の四字熟語などにも注目されているようです。
主な力士の大関昇進伝達式での口上
千代の富士
「大関の名を汚さぬよう、一生懸命頑張ります」
朝潮
「大関の名に恥じぬよう、これからも一生懸命頑張ります」
北天佑
「今後は栄誉有る大関の地位を汚さぬよう精進致します」
大乃国
「大関の本分を守り、稽古に精進し、今後とも皆様の御指導を宜しくお願い致します」
北勝海
「大関の名を汚さぬよう、これからも稽古に精進し、努力します」
小錦
「大関の名に恥じないように、稽古に励みます」
旭富士
「これからはより一層努力精進し、大関の名に恥じぬよう頑張ります」
霧島
「稽古に精進し、大関の名を汚さぬよう一生懸命頑張ります」
曙
「大関の地位を汚さぬよう稽古に精進致します」
貴乃花
「今後も不撓不屈の精神で、相撲道に精進致します」
若乃花
「今後も一意専心の気持ちを忘れず、相撲道に精進致します」
貴ノ浪
「今後は相撲道に勇往邁進する所存です」
武蔵丸
「日本の心を持って相撲道に精進致します」
千代大海
「大関の名を汚さぬよう相撲道に精進、努力いたします」
出島
「力の武士(もののふ)を目指し、精進、努力致します」
武双山
「大関として常に正々堂々、相撲道に徹します」
雅山
「大関の名を汚さぬよう、初心を忘れず相撲道に精進、努力致します」
魁皇
「大関の地位を汚さぬよう稽古に精進します」
栃東
「大関の名に恥じぬよう、稽古に励み、努力精進致します」
朝青龍
「大関の名に恥じぬよう、一生懸命頑張ります」
琴欧洲
「大関の名に恥じぬように稽古に精進します」
白鵬
「大関の地位を汚さぬように、全身全霊を懸けて努力します」
琴光喜
「いかなる時も力戦奮闘し、相撲道に精進します」
日馬富士
「今後も全身全霊で相撲道に精進します」・把瑠都「けいこに精進して、栄誉ある地位を汚さぬよう努力いたします」
琴奨菊
「大関の地位を汚さぬよう万理一空の境地を求めて、日々、努力精進致します」
主な力士の横綱昇進伝達式での口上
第72代横綱 稀勢の里寛
「横綱の名に恥じぬよう精進します」
第71代横綱 鶴竜力三郎
「一生懸命努力します」
第70代横綱 日馬富士公平
「横綱を自覚して、全身全霊で相撲道に精進します」
第69代横綱 白鵬翔
「横綱の地位を汚さぬよう、精神一到を貫き、相撲道に精進いたします」
第68代横綱 朝青龍明徳
「横綱の名を汚さぬよう、稽古に精進します」
第67代横綱 武蔵丸光洋
「横綱の名を汚さぬよう、精進体に致します」
第66代横綱 若乃花 勝
「横綱として堅忍不抜の精神で精進していきます」
第65代横綱 貴乃花光司
「横綱の名を汚さぬよう、不撓不屈の精神で相撲道に不惜身命を貫きます」
第64代横綱 曙 太郎
「横綱の地位を汚さぬよう、稽古に精進致します」
第63代横綱 旭富士正也
「横綱の名を辱めぬよう全力を尽くして努力精進し、健康に注意しながら心技体の充実に努めます」
第62代横綱 大乃国 康
「これからも初一念を忘れずに精進努力し、また健康に注意し、横綱を一生懸命務めます」
第61代横綱 北勝海伸芳
「横綱の名を汚さぬよう、これからも一生懸命稽古をし、努力します」
第60代横綱 双羽黒光司
「心技体の充実に心懸け、横綱の名に恥じぬよう一層稽古に精進致します」
第59代横綱 隆の里俊英
「節制に努めて努力、精進致します」
第58代横綱 千代の富士 貢
「横綱の名を汚さないよう、一生懸命頑張ります」
まとめ
主な力士の大関・横綱昇進時の口上 を紹介しました。
昇進伝達式は、新横綱もしくは新大関が誕生した場合、決定の当日に当該力士のもとへ使者が派遣され、また相撲部屋では力士本人と親方、親方の妻の3人で使者を出迎えて行われるようです。
式では使者が昇進決定の口上を言い、現在では力士が「謹んでお受けいたします」と返答しその上で決意表明のコメントを述べる、という流れになっています。
伝達式が行われると、新横綱、新大関は新番付の発表を待たずにそれぞれの地位に基づいた待遇を受けることになるそうです。
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