ふるさとおにぎり百選とは?
ふるさとおにぎり百選は、農林水産物の消費拡大を目的とした「農林水産祭」の第25回記念事業の一環として、特別展示「ふるさとおにぎりまつり」を実施するため、1986年(昭和61年)、当時の食糧庁(現・農林水産省総合食料局)と、「ふるさとおにぎり百選審査委員会」が共同で、全国から応募のあったおにぎり・おむすび・まぜごはんを選考し百選として発表したもののことです。
ちなみにこちらは、百選とは言いつつも130以上ものおにぎりが選ばれるものとなりました。
おにぎりについて
おにぎり(御握り)は、ご飯に味を付けたり具を入れたりして、三角形・俵形・球状などに加圧成型した食べ物である。通常は手のひらに載る程度の大きさに作る。「おむすび」や「握り飯」とも呼ばれています。
作り置きが可能で、さらに保存性・携行性に優れており、手づかみで食べられることから、日本で古くから今日に至るまで携行食や弁当として重宝され日本の食文化に定着しました。
現在では、居酒屋や定食屋でも提供され、日本のコンビニエンスストアや外食・ 中食店の海外進出、日本滞在経験を持つ外国人の増加に伴い、世界各国でおにぎりが販売されるようになっています。
おにぎりの歴史
弥生時代後期の遺跡である杉谷チャノバタケ遺跡(石川県鹿島郡鹿西町、現・中能登町)で、おにぎりと思われる米粒の塊が炭化したものが出土しています。この炭化米から人間の指によって握られた痕跡が発見されており、当初「最古のおにぎり」として報道されました。
また、2009年(平成21年)12月10日には横浜市都筑区の港北ニュータウンの古墳時代後期の遺跡から、弁当箱に入れられたおにぎりと見られる炭化した米の塊が発見され、おにぎり弁当であると話題になりました。
おにぎりの直接の起源は、平安時代の「屯食」(とんじき)という食べ物だと考えられています。この頃のおにぎりは大型の楕円形(1合半)で、使われているのは蒸したもち米であったとされています。
鎌倉時代末期頃からは、うるち米が使われるようになりました。当時のおにぎりは飯をただ握り固めたものか焼き固めたものでした。
表面に海苔を貼り付ける形式が生まれたのは海苔の養殖が普及し、加工された四角い板のりが「浅草海苔」として広く販売されるようになった江戸時代の元禄年間以降と見られています。
おにぎりの別名は?
日本国内でも、地方あるいは家庭によって呼称が変わるのはご存知だと思います。「おむすび」(御結び)や「握り飯」などと呼ばれるのが一般的ですが。単に「むすび」や「握り」などと呼ぶ場合もあるようです。
西日本は「おにぎり」、東日本は「おむすび」の名称で呼ばれ、「握りまま」(青森県)、「おにんこ」(栃木県)、「にんにこ」(和歌山県)といった方言もあります。
ふるさとおにぎり百選 一覧
No. | 都道府県 | おにぎり | 地域 |
1 | 北海道 | 開拓おにぎり | 美唄から浦臼に至る石狩川沿岸地域 |
2 | 北海道 | バター焼きおにぎり | 北海道紋別郡雄武町ほか |
3 | 北海道 | こんぶ巻きずし | 北海道様似郡様似町鵜苫地区 |
4 | 青森県 | 菊かおり(菊めし) | 青森県三沢市一帯 |
5 | 青森県 | こんぶ巻きずし | 青森県東津軽郡三厩村(東津軽郡外ヶ浜町) |
6 | 青森県 | ごまめし | 青森県弘前市周辺 |
7 | 岩手県 | ふきおにぎり | 岩手県下閉伊郡川井村(宮古市) |
8 | 岩手県 | ばくろうまんおにぎり | 岩手県和賀郡沢内村(和賀郡西和賀町) |
9 | 岩手県 | 押し麦入りおこわおにぎり | 岩手県下閉伊郡川井村(宮古市) |
10 | 宮城県 | クルミ入り柿の葉おにぎり | 宮城県伊具郡丸森町 |
11 | 宮城県 | しそわかめ入りおにぎり | 宮城県気仙沼市 |
12 | 宮城県 | はらこ飯 | 宮城県亘理郡亘理町一円 |
13 | 秋田県 | だまっこもち | 秋田県県内各地 |
14 | 秋田県 | 山菜の巻きずし | 秋田県県内各地 |
15 | 秋田県 | 赤ずし | 秋田県県内各地 |
16 | 山形県 | たんぽもち | 山形県東置賜郡高畠町二井宿地区 |
17 | 山形県 | 笹巻(祝巻) | 山形県県内一円 |
18 | 山形県 | うこぎごはん(うこぎの切りあえ) | 山形県置賜地方、村山地方 |
19 | 福島県 | 五目笹巻 | 福島県会津地方全域 |
20 | 福島県 | ほっきめし | 福島県相馬市周辺 |
21 | 福島県 | 山菜あじふかし | 福島県田村郡三春町全域 |
22 | 茨城県 | 焼き餅 | 茨城県県西部畑作地域 |
23 | 茨城県 | 里芋飯 | 茨城県県北部山間地域 |
24 | 茨城県 | 栗ごはん | 茨城県県内全域 |
25 | 栃木県 | ばんだい餅 | 栃木県塩谷郡栗山村川俣地域(日光市川俣地域) |
26 | 栃木県 | 五目めし | 栃木県下都賀郡石橋町全域(下野市全域) |
27 | 栃木県 | ゆでもち | 栃木県県北部 |
28 | 群馬県 | 秋葉講(火伏の神)まぜごはん | 群馬県勢多郡富士見村小暮(前橋市小暮)所皆戸 |
29 | 群馬県 | きび赤飯 | 群馬県吾妻郡長野原町 |
30 | 群馬県 | めしやきもち(おやき) | 群馬県安中市全域 |
31 | 埼玉県 | かてめし | 埼玉県比企郡、県西部農村地域 |
32 | 千葉県 | 房総の太巻きずし | 千葉県山武郡、長生郡を中心とした県内全域 |
33 | 東京都 | 島ずし | 東京都伊豆七島、八丈島 |
34 | 東京都 | はんばごはん | 東京都伊豆七島、大島 |
35 | 神奈川県 | 御難おにぎり | 神奈川県厚木市 |
36 | 神奈川県 | 鶏めしおにぎり | 神奈川県平塚市の水田地域 |
37 | 神奈川県 | さくらおにぎり | 神奈川県秦野市 |
38 | 新潟県 | ちまき | 新潟県岩船郡山北町(村上市)地域 |
39 | 新潟県 | けんさ焼き | 新潟県西蒲原郡味方村(新潟市)、西蒲原郡潟東村(新潟市) |
40 | 新潟県 | 笹ずし(わらじずし) | 新潟県上越地方 |
41 | 富山県 | 朴葉めし | 富山県県内山間地全域 |
42 | 富山県 | さばの笹ずし | 富山県県内全域 |
43 | 石川県 | 押しずし | 石川県金沢市ほか |
44 | 石川県 | 笹花ずし | 石川県能登地域 |
45 | 石川県 | 柿の葉ずし | 石川県加賀市およびその周辺 |
46 | 福井県 | ほうば飯 | 福井県県内全域 |
47 | 福井県 | 鯖のなれずし | 福井県若狭地方 |
48 | 福井県 | 鱒ずし | 福井県高志、坂井、奥越 |
49 | 山梨県 | 百万遍 | 山梨県東八代郡中道町中畑(甲府市中畑町) |
50 | 山梨県 | 人参めし | 山梨県西八代郡三珠町大塚(西八代郡市川三郷町大塚) |
51 | 山梨県 | やわいもごはん | 山梨県中巨摩郡竜王町(甲斐市) |
52 | 長野県 | すがり(地蜂の子)ご飯 | 長野県諏訪地域・伊那地域全域 |
53 | 長野県 | 謙信ずし(笹ずし) | 長野県飯山市 |
54 | 長野県 | 五平もち | 長野県下伊那地域、木曽地域 |
55 | 岐阜県 | 五平餅 | 岐阜県中津川市・恵那市・恵那郡 |
56 | 岐阜県 | 朴葉ずし | 岐阜県東濃地域 |
57 | 静岡県 | 菜めし | 静岡県御殿場市、駿東郡小山町周辺 |
58 | 静岡県 | ぼくめし | 静岡県浜名郡新居町(湖西市新居町周辺)周辺 |
59 | 静岡県 | 桜えびごはん | 静岡県庵原郡由比町(静岡市清水区) |
60 | 愛知県 | 奥三河の五平餅 | 愛知県奥三河[新城市、南設楽郡(新城市)、北設楽郡]地方 |
61 | 愛知県 | 合戦むすび | 愛知県新城市、南設楽郡(新城市) |
62 | 愛知県 | お精霊めし(さくらめし、たまりめし) | 愛知県新城市、南設楽郡(新城市) |
63 | 三重県 | めはりずし | 三重県東紀州地域 |
64 | 三重県 | 紀州の祝いずし | 三重県東紀州地域 |
65 | 三重県 | てこねずし | 三重県伊勢志摩地域 |
66 | 滋賀県 | 鱒のはやずし | 滋賀県湖北地方の湖周辺地域 |
67 | 滋賀県 | 宇川ずし | 滋賀県甲賀郡水口町宇川(甲賀市水口町宇川)地区 |
68 | 京都府 | 筍寿し | 京都府向日市、長岡京市ほか |
69 | 京都府 | ふき俵 | 京都府相楽郡南山城村田山地域 |
70 | 京都府 | 苗めし | 京都府中郡(京丹後市)、竹野郡(京丹後市)周辺 |
71 | 大阪府 | 押しずし | 大阪府泉南地方 |
72 | 大阪府 | 鯛めし | 大阪府泉南郡岬町深日地域 |
73 | 大阪府 | ひなずし | 大阪府南河内郡千早赤阪村 |
74 | 兵庫県 | 黒まめごはんおにぎり | 兵庫県氷上郡(丹波市)、多紀郡(篠山市)地域 |
75 | 兵庫県 | こけらずし | 兵庫県淡路島全域 |
76 | 兵庫県 | 梅ごはん | 兵庫県揖保郡(たつの市)御津町 |
77 | 奈良県 | 目張ずし | 奈良県吉野郡十津川村、吉野郡大塔村(五條市) |
78 | 奈良県 | なれずし | 奈良県吉野郡十津川村 |
79 | 奈良県 | 柿の葉寿司 | 奈良県吉野郡吉野町、吉野郡下市町、吉野郡上北山村、五條市 |
80 | 和歌山県 | めはりずし | 和歌山県新宮市を中心とする南紀地方 |
81 | 和歌山県 | サイラの鉄砲ずし | 和歌山県田辺市を中心とする南紀地方 |
82 | 和歌山県 | なれずし | 和歌山県有田郡湯浅町、有田郡広川町、御坊市周辺 |
83 | 鳥取県 | 大山おこわ | 鳥取県西伯郡大山町 |
84 | 鳥取県 | がにめし | 鳥取県西伯郡中山町(西伯郡大山町) |
85 | 鳥取県 | い貝めし | 鳥取県東伯郡東伯町夏泊(東伯郡琴浦町) |
86 | 島根県 | 箱ずし | 島根県石見地方 |
87 | 島根県 | ゆずのきりたんぽ | 島根県美濃郡美都町(益田市) |
88 | 島根県 | しげさおこわ | 島根県隠岐島後地方 |
89 | 岡山県 | ままかりずし | 岡山県県南部地方 |
90 | 岡山県 | 備前のばらずし | 岡山県備前地方(岡山、東備地方) |
91 | 岡山県 | 蒜山おこわ | 岡山県蒜山地方を中心とした県下全域 |
92 | 広島県 | コウタケのむすび | 広島県山県郡大朝町(山県郡北広島町)地域 |
93 | 広島県 | 磯がきずし | 広島県安芸郡倉橋町(呉市) |
94 | 広島県 | 松茸ごはん | 広島県賀茂郡大和町(三原市) |
95 | 山口県 | わかめむすび | 山口県県内全域 |
96 | 山口県 | お茶の葉おにぎり | 山口県新南陽市(周南市)和田地区 |
97 | 山口県 | 岩国ずし | 山口県県内全域 |
98 | 徳島県 | わかめおにぎり | 徳島県県内全域 |
99 | 徳島県 | すだちおにぎり | 徳島県県内全域 |
100 | 徳島県 | お茶ごめ | 徳島県県内全域 |
101 | 香川県 | カンカンずし | 香川県大川郡志度町(さぬき市) |
102 | 香川県 | 竹めし | 香川県大川郡長尾町(さぬき市) |
103 | 香川県 | 鯛めし | 香川県坂出市王越町 |
104 | 愛媛県 | 夏かんずし | 愛媛県中予地方、南予地方 |
105 | 愛媛県 | おたま | 愛媛県南予地方の宇和海沿岸地域 |
106 | 愛媛県 | かにめし | 愛媛県大洲市肱川流域一帯 |
107 | 高知県 | こけら | 高知県安芸郡東洋町ほか |
108 | 高知県 | 田舎ずし | 高知県県内山間地域 |
109 | 高知県 | あわびめし | 高知県香美郡夜須町(香南市) |
110 | 福岡県 | 鬼の手こぼし | 福岡県八女地方 |
111 | 福岡県 | 柿の葉ずし | 福岡県筑豊地方、朝倉地方 |
112 | 福岡県 | かなぎご飯 | 福岡県福岡市周辺 |
113 | 佐賀県 | 須古ずし | 佐賀県杵島郡白石町須古 |
114 | 佐賀県 | あげまきばらずし | 佐賀県鹿島市 |
115 | 佐賀県 | かに飯 | 佐賀県東松浦郡七山村(唐津市) |
116 | 長崎県 | 里芋めしのおにぎり | 長崎県佐世保市塩浸町 |
117 | 長崎県 | 鯨の炊き込みご飯おにぎり | 長崎県南松浦郡有川町(南松浦郡新上五島町) |
118 | 長崎県 | 鶏飯のおにぎり | 長崎県諫早市目代町 |
119 | 熊本県 | 南関揚げ巻きずし | 熊本県玉名郡南関町 |
120 | 熊本県 | このしろの姿ずし | 熊本県天草郡一帯 |
121 | 熊本県 | 高菜飯 | 熊本県阿蘇郡一帯 |
122 | 大分県 | しいたけめしのにぎりめし | 大分県県内全域 |
123 | 大分県 | 山菜おにぎり | 大分県別府市亀川 |
124 | 大分県 | たかなずし | 大分県日田地方 |
125 | 宮崎県 | しいたけずし | 宮崎県県北部山間地域 |
126 | 宮崎県 | とうきびごはん | 宮崎県高千穂地方 |
127 | 宮崎県 | 冷や汁 | 宮崎県県中、県南[諸県]地方 |
128 | 鹿児島県 | 鶏飯 | 鹿児島県奄美大島、鹿児島市の一部 |
129 | 鹿児島県 | 酒ずし | 鹿児島県県内全域 |
130 | 沖縄県 | かぼちゃのミスジューシー | 沖縄県宮古島全域 |
131 | 沖縄県 | カーサおにぎり | 沖縄県那覇市 |
132 | 沖縄県 | 田芋入りクファジューシー | 沖縄県宜野湾市 |
ふるさとおにぎり百選 まとめ
「おむすび型」というのように、おむすびと言えば三角に握ったものというイメージが強く三角形をした物のことを指す代名詞として使われることもありますね。
おにぎりとおむすびの違い
おにぎりやおむすびの語源については種々の説があるようです。
おにぎりは形を問わないが、おむすびは三角形という説。
おにぎりが三角型で、おむすびは俵型という説。
米を握り固めた状態がおにぎりで、おにぎりをわらで巻いて運搬しやすくした状態がおむすび説。
丸形で海苔(しめった海苔)が全面を覆うのがおにぎり、三角で乾いたパリパリの海苔が一部を取り巻くのがおむすびという説。
三角の握り飯を「おむすび」というのは造化の三神に由来するとの説[10]。
おにぎりの呼び名は江戸時代からの呼び方でおむすびの呼び名はそれ以前からの古くからの呼び名。
東日本でおにぎり、西日本でおむすびと別名でよんでいたのが混交したという説
握り飯またはおにぎりの方が歴史が古く、その女房言葉もしくは丁寧語としておむすびといったという説
昔の日本人は山を神格化し、その神の力を授かるために米を山型(神の形)をかたどったのが握り飯を三角形に作った由来との説もある。
おにぎりは「鬼を切る」という言葉に似ているため、魔よけの効果があるとの説もあり、鬼退治に白飯の握り飯を投げつけたなどの民話もある。
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