百人一首の季節の歌を春夏秋冬別に紹介していきます。
季節の中では秋の和歌が多いのですが、どの季節の歌も情景が浮かんでくる、素敵なものばかりです。
季節の歌は、全部で32首あり、
春ー6首
夏ー4首
秋ー16首
冬ー6首
となっています。
小倉百人一首 春の歌 6首
小野小町 009
花の色はうつりにけりないたづらに わか身よにふるなかめせしまに
光孝天皇 015
君かためはるの野に出てわかなつむ わか衣手に雪はふりつゝ
紀友則 033
久方の光のとけき春の日に しつ心なくはなの散らん
紀貫之 035
人はいさ心もしらす古郷は 花そむかしの香ににほひける
伊勢大輔 061
いにしへの奈良のみやこの八重桜 けふこゝのへに匂ひぬるかな
権中納言匡房 073
高砂のおのへのさくら咲にけり とやまの霞みたゝすもあらなん
小倉百人一首 夏の歌 4首
持統天皇 002
春過て夏来にけらし白妙の 衣ほすてふあまの香来山
清原深養父 036
夏のよはまたよひなから明ぬるを 雲のいつこに月やとるらん
後徳大寺左大臣 081
ほとゝきす鳴つる方を眺むれは 唯有明の月そのこれる
従二位家隆 098
風そよくならの小川の夕暮は 御秡そなつのしるし成ける
小倉百人一首 秋の歌 16首
天智天皇 001
秋の田のかりほの盧のとまをあらみ 我ころも手は露にぬれつゝ
猿丸大夫 005
おく山に紅葉ふみわけ鳴しかの 聲きくときそ秋はかなしき
在原業平朝臣 017
千早振神代もきかす立田川 からくれなゐに水くゝるとは
文屋康秀 022
吹からに秋の草木のしほるれは むへ山風をあらしといふらん
大江千里 023
月みれは千々にものこそかなしけれ 我身ひとつの秋にはあらねと
凡河内躬恒 029
心あてに折はやおらむ初しもの をきまとはせるしら菊の花
春道列樹 032
山川に風の懸たるしからみは なかれもあへぬ紅葉なりけり
文屋朝康 037
しら露に風のふきしく秋のゝは つらぬきとめぬたまそ散ける
恵慶法師 047
八重葎しけれる宿のさひしきに 人社見えね秋は来にけり
能因法師 069
あらしふく三室の山のもみちはゝ たつ田の川のにしき成けり
良暹法師 070
さひしさに宿をたち出てなかむれは いつくもおなし秋の夕暮
大納言経信 071
夕されは門田のいなは音つれて 芦のまろやにあき風そふく
左京大夫顕輔 079
秋風に棚引雲のたえまより もれいつる月のかけのさやけさ
寂蓮法師 087
村雨の露もまたひぬ槇のはに 霧たちのほるあきのゆふ暮
後京極摂政前太政大臣 091
きりゝゝす鳴やしもよのさむしろに ころもかたしきひとりかもねん
参議雅経 094
みよし野ゝ山の秋風さよ更て 故郷さむくころもうつ也
小倉百人一首 冬の歌 6首
山辺赤人 004
田子のうらにうち出てみれはしろ妙の 不二の高根にゆきは降つゝ
中納言家持 006
鵲の渡せるはしにをく霜の しろきをみれはよそ更にける
源宗于朝臣 028
山里は冬そさひしさ増りける 人めも草もかれぬとおもへは
坂上是則 031
朝ほらけ在明の月とみるまてに よし野ゝさとにふれるしら雪
権中納言定頼 064
朝朗うちの川霧たえゝゝに 顕はれ渡る瀬ゝのあしろ木
源兼昌 078
あはち嶋かよふ千鳥の鳴こゑに 幾夜ねさめぬすまのせきもり
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