◇ 雅(みやび)の章:宮廷文化や古典文学に由来する名前
源氏物語、伊勢物語、枕草子──王朝文化の香りが漂う雅な世界観。その中に登場する姫君たちのように、優雅で品位ある名前を選びました。和歌や漢詩、古語に精通する方にも響くような古典的な名です。
- あさひ(朝陽・旭)
朝に昇る陽のように、始まりを象徴する清々しい名。 - ときこ(時子)
平安〜鎌倉時代に実在した女性名で、時代を超える品格があります。 - ゆきえ(幸恵・雪江)
「幸」と「恵」により、王朝的な柔らかさと慈しみを含んだ名。 - まひろ(真尋・真紘)
「真」を用いた名は古典においても誠実・高潔さを象徴します。 - たまえ(珠枝・多麻恵)
「たま(珠)」は宝玉のような美しさを意味する、気品ある名。 - きよこ(清子)
平安時代の女房名にも見られた、清らかさと潔さを持つ名前。 - ひさこ(久子)
「久」は長く続く美徳や命を表現し、王朝文学に馴染む名。 - まさこ(正子・雅子)
平安時代の皇族・貴族の女性によく見られる名。格調高い響き。 - ことね(琴音)
琴の音色のように、優しく繊細な感性を持つ名。 - えま(恵真・映真)
「真」を含むことで誠実さ、「映」は華やかさを併せ持ちます。 - あやめ(文目・菖蒲)
古語の「あや(文)」から、美しい模様や知性を象徴。 - ちよ(千代)
「千年の時」を表す、非常に古風で縁起の良い名前。 - うたこ(詩子・歌子)
詩や歌に親しみ、心をこめる女性にふさわしい名。 - のりこ(典子・則子)
律や道理に従う美徳を意味し、知性と調和を重んじる名。 - さえ(冴絵・佐依)
冴え渡る感性と、洗練された美を感じさせる凛とした響き。
◇ 風の音(かぜのおと)の章:自然の調べを感じる名前
風、川、波、鳥の声──自然の音を感じさせる言葉は、どこか懐かしく、心を穏やかにしてくれます。この章では、そうした音の印象から名づけられた、大和言葉ならではの柔らかさを持つ名前をご紹介します。
- かざね(風音)
風の音のように、静かで心地よい存在を表す名。 - せせら(せせらぎ)
川の流れの音を連想させる、柔らかく澄んだ響き。 - しらべ(調)
自然の中の調和や、琴のような音色を感じさせる名。 - なぎ(凪)
風がやみ、海が静まる瞬間のような、穏やかさを表す名。 - こだま(木霊)
山びこのように音を返す、自然との響き合いを感じる名前。 - すず(涼・鈴)
鈴の音、涼風のように清らかな存在を意味する名。 - とわ(永遠・常和)
「とこしえ」に続く音。永遠に響く調べのような意味を込めて。 - ほのね(ほの音)
ほのかに響く音のように、優しさと静けさを兼ね備えた名。 - ひびき(響)
自然や心に響く音、感動を表す豊かな表現力を持つ名。 - みさき(岬・美咲)
海風が吹き抜ける岬の情景を思わせる、爽やかな響き。 - あまね(周音・天音)
天から降り注ぐ音、あるいは世界に広がるやさしい響きを表現。 - いと(糸・いとおし)
糸のように細く、静かに響く音や感情を映す名。 - みのり(実り・美乃里)
風にゆれる稲穂の音を感じさせる、豊かさと育みの名。 - さや(清耶・沙耶)
風が葉を揺らす「さやさや」という音を思わせる、涼しげな名。 - ことり(小鳥)
さえずる小鳥のように、命のきらめきを軽やかに表す名。
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