- 夏雨【なつさめ】
― 夏の季節に静かに降り、また止む雨。夏の蒸し暑さを和らげる一時の涼しさと、情緒ある風情を表現します。 - 撫子【なでしこ】
― 優しく愛おしい子という意味から転じ、女性や花そのものの優美さ、そして柔らかい美しさを象徴します。古くは愛称としても用いられてきました。 - 儚世【はかなよ】
― この世のはかなさ、儚い存在や一瞬の美を強調する言葉。人生の無常や刹那的な輝きを詠む際に使われます。 - 白雨【はくう】
― 明るい空から降る、柔らかく軽やかな雨。にわか雨のようにふっと降り注ぐ情景を表し、清らかさとともに一瞬の美しさを感じさせます。 - 斑雪【はだれ】
― 降りしきる雪がちらちらと舞い、薄く積もる様子。冬の静けさと、はかなくも美しい雪の情景を表現しています。 - 初音【はつね】
― 季節の最初に聞こえる鳥の鳴き声、特にウグイスの声を指す。新たな始まりと、生命の息吹を感じさせる表現です。 - 花霞【はながすみ】
― 遠くに咲き誇る花々が、霞のようにぼんやりと見える様子。春の日差しとともに広がる柔らかな光景を描写します。 - 花氷【はなごおり】
― 花を閉じ込めるかのように凍りついた氷柱。冷たさの中に秘めた儚い美と、冬と春の狭間に咲く一瞬の輝きを表現しています。 - 花宴【はなのえん】
― 桜や花々の下で催される宴。自然の美しさと人々の歓びが交錯する、華やかでありながらも情緒あるひとときを象徴します。 - 春霞【はるがすみ】
― 春の季節に立ち込めるかすみ。柔らかい光とともに、訪れる新生の季節の淡い情景を描き出します。 - 氷雨【ひさめ】
― 冷たく降る雨。冬の厳しさと、その中に潜む一瞬の美を、しんとした静寂とともに表現します。 - 翡翠【ひすい】
― 本来は美しい青緑色の宝石(玉石)の意味ですが、ここではその神秘的な輝きと、古来より珍重された高貴さを感じさせる言葉です。 - 白夜【びゃくや】
― 真夜中になっても薄明かで、暗くならない現象。特に北国の夏などで見られる、幻想的な明るさと静けさを表します。 - 氷輪【ひょうりん】
― 氷が作り出す輪状の美しい形。月の光や灯りと重なり、冷たさと輝きを同時に感じさせる幻想的な情景です。 - 風雅【ふうが】
― 高尚で雅な趣があること。文化や芸術、日常の中にある上品な美意識を体現し、洗練された情趣を感じさせます。 - 風流【ふうりゅう】
― 優雅で落ち着いた趣を意味し、自然や四季の移ろい、または心の余裕をもって味わう美しさを表現します。 - 風靡【ふうび】
― その美しさや魅力が、人々を虜にし、心を奪う様子。壮大な自然景観や、時代を超えて人々に影響を与える美の力を感じさせる言葉です。 - 冬燈【ふゆともし】
― 冬の夕暮れにともされる灯り。寒さの中にあたたかな光が一筋差し込み、心に希望をもたらす情景を描いています。 - 蛍火【ほたるび】
― 蛍が発するかすかな光、またはその光を模した小さな火。夜の闇に揺れる幻想的な輝きと、自然の神秘性を感じさせます。 - 時鳥【ほととぎす】
― 季節の変わり目を告げる鳥、ホトトギス。鳥の鳴き声が季節感を強調し、詩情豊かな情景を創出する象徴的な存在です。 - 罔象【みずは】
― 水の神や水の精霊を意味する古風な言葉。水の恵みと神秘性、または自然との調和を感じさせる表現です。 - 御霊【みたま】
― 神や尊い人の霊を敬う呼称。神聖な存在に対する畏敬の念や、歴史と伝統を重んじる心情を表現しています。 - 迎火【むかえび】
― 客人や神霊を迎えるために焚かれる火。儀式的な意味合いや、人と人とのつながり、そして温かいおもてなしの象徴です。 - 無月【むげつ】
― 曇天や雨天で月が見えなくなる状態を指す。月の美しさが隠れることで、逆にその存在の大切さや幻想的な空気感を際立たせる表現です。 - 霧氷【むひょう】
― 木の枝や地面に、霧や水蒸気が凍りついてできる氷の結晶。冬の冷たさとともに、自然が生み出す偶然の美しい芸術を表します。 - 叢雲【むらくも】
― 薄く群がって浮かぶ雲。空に広がる柔らかい風景が、静かでありながらも神秘的な雰囲気を醸し出します。 - 村雨【むらさめ】
― 一時的に激しく降り、すぐにやむ雨。自然の移ろいと、儚い瞬間の美しさを表現する際に用いられます。 - 叢雨【むらさめ】
― 村雨と同じ読みで、ひとしきり強く降ってやむ雨を指す。地域や文脈によって表記が異なる場合もあり、同様の儚い情景を表現します。 - 八雲【やくも】
― 何層にも重なり合う雲。空に広がる多層的な雲の姿が、時間の流れや大自然の壮大さを感じさせます。 - 悠遠【ゆうえん】
― 時間的・空間的に遥かで遠いこと。壮大な風景や歴史の深み、または心の奥底にある永遠の美を示唆します。
古典的な日本の美意識と情緒を感じる言葉一覧 103選 – 2文字の美しい漢字

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