秋の動物の季語一覧
初秋(太陽暦8月・旧暦7月)
蝉・虫
- 秋の蝉 — 夏の名残として秋口に鳴く蝉全般。
- カナカナ(ヒグラシ) — 「カナカナ」と鳴く涼やかな声が印象的。
- 蟋蟀(コオロギ) — 秋を代表する虫。夜の鳴き声が季節感を生む。
- 鈴虫(スズムシ) — 音色が澄んだ秋の虫。古くから愛玩される。
- 法師蝉(ツクツクボウシ) — 「ツクツクボーシ」と鳴く晩夏〜初秋の蝉。
- 蜩(ヒグラシ) — 夕暮れに鳴く秋近い蝉。物寂しさを誘う。
- 虫の声 — 秋の虫が一斉に鳴き交わす情景を指す季語。
仲秋(太陽暦9月・旧暦8月)
鳥
- 雁(カリ) — 秋に飛来する渡り鳥。「雁来る」は秋の象徴。
爬虫類・小動物
- 蛇穴に入る — 冬ごもりのために蛇が穴に入る時期の季語。
昆虫
- 秋の蚊 — 夏ほど多くないが、秋にも残る蚊の季語。
- 秋の蝶 — 秋の花を舞う蝶。夏蝶より落ち着いた色彩のものも。
- 芋虫 — 蝶や蛾の幼虫。秋にも見られる。
- ウスバカゲロウ — 軽やかに飛ぶ昆虫。物静かな秋の風情に合う。
- クツワムシ — 大きな鳴き声を持つ秋の虫。
- 螻蛄鳴く(ケラ鳴く) — 地中に住む螻蛄が鳴く音を表す季語。
- 地虫鳴く — 地中の虫が鳴く、秋の深まりを感じる表現。
- 蜻蛉(トンボ) — 秋空を舞う蜻蛉は秋の代表的風物。
- 松虫(マツムシ) — 澄んだ音色で鳴く秋の代表的虫。
- 蓑虫(ミノムシ) — 枝にぶら下がる冬越し前の幼虫。
晩秋(太陽暦10月・旧暦9月)
獣(けもの)
- 猪(イノシシ) — 山の実りを求めて動く季節。晩秋の山の象徴。
- 鹿(シカ) — 秋は恋の季節で、鳴き声「鹿の声」が有名。
鳥類
- 稲雀(イナズズメ) — 稲穂に群れる雀。
- 懸巣(カケス) — 青い羽を持つカラス科の鳥。秋に姿がよく見られる。
- 啄木鳥(キツツキ) — 木を叩く音が秋山に響く。
- 小鳥 — 秋の野に現れる小鳥全般。
- 四十雀(シジュウカラ) — 軽やかな声で鳴く小鳥。
- 鶺鴒(セキレイ) — 尾を振りながら歩く姿が特徴的。
- 鶴渡る — 冬鳥の鶴が渡ってくる季節を指す。
- 白鳥渡る — 白鳥の渡りの季節の到来。
- 鵯(ヒヨドリ) — 秋に山野を群れ飛ぶ鳥。
- 頬白(ホオジロ) — 白い頬が特徴の野鳥。
- 椋鳥(ムクドリ) — 秋の夕暮れに大群で飛ぶことが多い。
- 百舌(モズ) — 「高鳴き」が秋の訪れを告げる。
- 山雀(ヤマガラ) — 秋山で見られる小型の鳥。
- 渡り鳥 — 秋に渡ってくる鳥全般の季語。
秋の動物 – 食べ物の季語一覧
初秋(太陽暦8月・旧暦7月)
魚介類・動物性の食材
- 鰯(イワシ) — 脂がのり始める頃の鰯。煮ても焼いても美味しい庶民の味。
- 秋刀魚(サンマ) — 秋を代表する青魚。塩焼きが季節の風物詩。
- 太刀魚(タチウオ) — 銀色に光る長い魚。塩焼きや煮付けに向く。
- 蜂の子 — ハチの幼虫を調理した珍味。山里の貴重なたんぱく源。
仲秋(太陽暦9月・旧暦8月)
魚介類
- 秋鯵 — 脂がのった秋の鯵。刺身や塩焼きで美味。
- 秋鰹 — 戻り鰹とも呼ばれ、脂がのった濃い味わい。
- 秋鯖 — 秋に旨味が増す鯖。味噌煮や塩焼きに。
- 秋の魚 — 秋に旬を迎える魚全般を指す季語。
- 鰍(カジカ)(杜父魚) — 川に住む魚。秋の鍋物などに用いられる。
- からすみ — ボラなどの卵巣を塩漬け・干した高級珍味。
- 鱸(スズキ) — 夏から秋にかけて美味しい白身魚。
- 鯊(ハゼ) — 秋の投げ釣りで人気の小魚。
- 鰡(ボラ) — 河口付近に住む魚。からすみの原料にもなる。
- 太刀魚(タチウオ) — 秋にもよく獲れ、塩焼きや煮付けで親しまれる。
晩秋(太陽暦10月・旧暦9月)
魚介・動物性の食材
- イクラ(はららご) — 鮭などの卵をほぐしたもの。醤油漬けが人気。
- 落鮎 — 産卵のために川を下る鮎。秋の終わりの味覚。
- 落鰻 — 産卵のために移動する鰻。
- 鮗(コノシロ)(小鰭) — 成長段階によって名が変わる魚。寿司種としても有名。
- 鮭(サケ) — 産卵のために川を上る秋の代表的魚。
- 氷頭鱠(ヒズナマス) — 鮭の鼻先の軟骨部分を酢のものにした料理。
- 郁子(ムベ) — アケビに似たツル性植物の果実。果物として食される。
- 蝗(イナゴ) — 佃煮などにして食べられる昆虫食の一つ。
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