日本には、農耕中心の生活であった古代から受け継がた年中行事があります。
日本の四季は、それぞれが独特の風情と美しさを持っています。そして、その季節ごとに行われる行事やイベントは、その風情を一層引き立て、日本の文化と伝統を深く感じさせてくれます。ここでは、春夏秋冬、それぞれの季節に行われる日本の行事を一覧でご紹介します。日本の四季を彩る魅力を一緒に感じてみましょう。
正月の行事
- 12月の異称:師走(しわす)
- 1月の異称:睦月(むつき)
新たな年を祝い、年神様を迎え入れます。この行事は日本人が年間を通じて最も大切にする年中行事です。
初詣で(はつもうで)
年が明けてから初めて神社や寺院などに参拝する行事。一年の感謝を捧げたり、新年の無事と平安を祈願したりする。
社寺へ参拝を行って、社務所でお守り、破魔矢、風車、熊手などを受けたり、絵馬に願い事や目標を書いたりして、今年一年がよい年であるよう祈る。昨年のお守りや破魔矢などは、このときに社寺に納めて焼いてもらう。また神社によっては境内で甘酒や神酒などが振るまわれる。
出典:Wikipedia
若水(わかみず)
元日の朝に初めて汲む水、水を汲んで神棚に供えます。若水は邪気を除くと信じられ、神棚に供えた後、その水で年神への供物や家族の食事を作ったり、口を漱いだり茶を立てたりします。
出典:Wikipedia
年始
年のはじめ。新年を祝うこと。また、新年の挨拶に行くこと。
初夢
元日の夜、あるいは新年のある夜に見る夢。この夢の内容で、1年の吉凶を占う風習がです。
新年最初に見る夢ではあるが、「大晦日の夜から元日の朝」「元日の夜から2日朝」「2日夜から3日朝」の3つの説が混在する。
出典:Wikipedia
仕事始め
年始となる1月の上旬の、最初の仕事のこと。事始めとも言います。
春の七草
1月7日の朝、、一年の最初の節句である「人日の節句」に無病息災を願い、春の七草の若菜を入れた「七草がゆ」を食べます。
春の七草は以下の通りです。
- 芹(せり)
- 薺(なずな)
- 御形(ごぎょう)
- 繁縷(はこべ)
- 仏座(ほとけのざ)
- 菘(すずな)
- 蘿蔔(すずしろ)
出典:Wikipedia
鏡開き
1月11日、正月に神(年神)や仏に供えた鏡餅を下げて食べる、日本の年中行事です。神仏に感謝の気持ちを示し、無病息災などを祈って、供えられた餅を汁粉・雑煮などにして食べます。
出典:Wikipedia
春の行事
- 2月の異称:如月(きさらぎ)
- 3月の異称:弥生(やよい)
- 4月の異称:卯月(うづき)
節分
立春の前日、およびその日に行われる厄払い。「鬼は外、福は内」と声を出しながら福豆(煎り大豆)を撒いて、年齢の数だけ(もしくは1つ多く)豆を食べる厄除けを行う。
出典:Wikipedia
初午(はつうま)
2月の最初の午(うま)の日。稲荷社の本社である伏見稲荷神社のご祭神・宇迦御霊神が伊奈利山へ降りた日が和銅4年2月7日(711年2月28日)であったとされ、この日が初午であったことから、全国で稲荷社を祀る。
出典:Wikipedia
針供養(はりくよう)
折れ、曲がり、錆びなどによって、使えなくなった縫い針を供養し、近くの神社に納める行事。
2月8日に催すことが多い。2月8日は「事始め」の日であり、農作業や裁縫も休みそれから一年の作業が始まるからとされる。
出典:Wikipedia
ひな祭り
3月3日の節句(上巳の節句、桃の節句)に行われる年中行事。幼い女子の健やかな成長を祈る節句。
ひな人形(「男雛(おびな)」と「女雛(めびな)」を中心とする人形)に桜や橘、桃の花など木々の飾り、雛あられや菱餅などを供え、白酒やちらし寿司などの飲食を楽しむ節句祭り
出典:Wikipedia
花見
サクラの花を鑑賞し、春の訪れを寿ぐ日本古来の風習。
夏の行事
- 5月の異称:皐月(さつき)
- 6月の異称:水無月(みなづき)
- 7月の異称:文月(ふみづき)
- 8月の異称:葉月(はづき)
端午の節句(たんごのせっく)
菖蒲の節句(しょうぶのせっく)とも呼ばれ、男子の健やかな成長を祈願し各種の行事を行う風習があります。鯉のぼりや五月人形を飾ります。
5月5日に行われ、国民の祝日「こどもの日」になっています。
夏越しの祓い(なつごしのはらい)
6月30日に行う大祓いの行事。穢れを除き去るための除災行事です。
七夕(たなばた)
七月七日。五節句の一つ。天の川に隔てられた彦星(ひこぼし)と織姫(おりひめ)とが七月七日の夜、年に一度だけ会うという伝説にちなんだ年中行事。
ほおずき市
7月9日・10日。浅草のほおずき市が有名です。この日は功徳日とされ、「四万六千日」呼ばれています。「四万六千日」は、この日にお参りすると、4万6千日お参りしたと同じ功徳がある日という意味です。
中元
道教に由来する年中行事で三元の1つ。仏教では盂蘭盆節(うらぼんせつ)と呼ぶ。もともと旧暦の7月15日に行われていたが、現代の日本では新暦の7月15日または8月15日に行われる。この時期に、世話になった人々に贈り物をする習慣を特に「お中元」とも呼ぶ。出典:Wikipedia
盆供養
太陰暦7月15日を中心に7月13日から16日の4日間に行われる仏教行事のこと。盂蘭盆(うらぼん)、お盆ともいう。祖霊に供物を捧げる。
出典:Wikipedia
夏祭り
7月上旬から8月下旬頃に行われる夏の祭りの総称。
日本の夏祭りの多くは、起源的には盂蘭盆会(盆)・七夕・祇園祭などが絡んだものやその周辺的な行事であるものが多い。豊作祈願と穢払い、先祖の供養をする祭りもある。参考:Wikipedia
秋の行事
- 9月の異称:長月(ながづき)
- 10月の異称:神無月(かんなづき)
月見
日本の伝統的な行事で、特に秋の満月を観賞することを指します。これは一般的に「中秋の名月」とも呼ばれ、旧暦の8月15日に行われます。この日は通常、月が最も美しいとされています。
お月見の起源は古代中国に遡り、豊穣を祈る祭りとして始まったとされています。日本では平安時代から行われており、月を見ながら詩を詠んだり、音楽を奏でたりする風習がありました。
現代のお月見では、月見団子や栗、柿などの秋の収穫物を供え、家族や友人と一緒に月の美しさを楽しむことが一般的です。月見団子は、白いもち米で作られ、その純白さが満月を象徴しています。
また、お月見にはさまざまな伝説や物語があります。例えば、ウサギが餅をついているという話や、不老不死の薬を作った嫦娥が月に住んでいるという話などがあります。
重陽の節句
重陽の節句は、日本の伝統的な行事で、毎年旧暦の9月9日に行われます。この日は「重陽」または「菊の節句」とも呼ばれ、菊の花を愛でたり、菊の花を用いた祝い事を行ったりします。
重陽の節句の起源は中国にあり、陰陽思想に基づいて奇数を吉とし、その中でも「9」は最も大きな数であるため、9月9日は「重陽」(二つの9)とされ、特に吉日とされました。
日本では平安時代からこの風習が広まり、特に菊の花が美しく咲くこの時期に、菊の花を愛でる風習が生まれました。また、菊の花には邪気を払うという信仰もあり、菊の花を飾ることで病気や災難から身を守るとされています。
現代では、重陽の節句はあまり広くは祝われていませんが、一部地域や家庭では菊の花を飾ったり、菊の花を見に行ったり、菊酒(菊の花を浮かべた日本酒)を飲む風習が残っています。
また、重陽の節句は五節句の一つでもあります。五節句とは、人々の生活を祝福し、季節の移り変わりを楽しむための5つの節句(人日(じんじつ)、上巳(じょうし ) 、端午の節句、七夕、重陽の節句)のことを指します。
秋のお彼岸会
お彼岸は、日本の伝統的な行事で、春分の日と秋分の日を中心に、その前後3日間を含めた7日間を指します。この期間は、仏教の考え方に基づいて、この世とあの世が最も近くなるとされています。そのため、お彼岸は先祖の霊を供養する重要な機会とされています。
お彼岸の期間中、多くの人々は墓参りを行い、先祖の墓を清掃したり、お供え物をしたりします。
秋祭り
秋の季節に行われる様々な祭りです。これらの祭りは地域ごとに特色があり、収穫の感謝、豊穣を祈る祈願、神々への奉納など、さまざまな目的で行われます。出典:Wikipedia
紅葉狩り
紅葉狩り(もみじがり)は、日本の秋の風物詩で、紅葉した木々を楽しむ行事を指します。これは、春の花見と同様に、自然の美しさを愛でる日本の伝統的な行事の一つです。
紅葉狩りは、一般的に10月から11月にかけて行われますが、地域や気候により時期は異なります。北海道や東北地方では早めに始まり、九州や沖縄では遅めになります。
紅葉狩りの際には、公園、山、寺院、神社など、色とりどりの紅葉が見られる場所に訪れます。特に、日本の古都である京都は、その美しい紅葉で知られており、多くの観光客が訪れます。
冬の行事
- 11月の異称:霜月(しもづき)
- 12月の異称:師走(しわす)
お酉さま(おとりさま)・酉の市(とりのいち)
「お酉さま」または「酉の市」は、日本の伝統的な行事で、特に東京都の浅草寺や多摩地域で知られています。この祭りは、毎年11月の酉の日(旧暦の11月の戌の日の翌日)に行われます。酉の市は、元々は商いの神様である酉の神を祀る行事で、商売繁盛や家内安全を祈願する祭りです。
酉の市では、竹や松の枝に飾り付けられた「熊手」がよく売られています。熊手は、その形状が広がっていることから「商売繁盛」を象徴し、商店や企業は新たな一年の繁栄を祈願してこれを購入します。また、熊手は一度購入すると、次の年にはより大きなものを購入するという風習があります。
その他にも、酉の市では各種の飾り物やおもちゃ、食べ物などが販売され、多くの人々で賑わいます。また、浅草寺の酉の市は特に規模が大きく、全国から多くの観光客が訪れます。
酉の市は、商売の神様への感謝と新たな一年の繁栄を祈る、日本の伝統的な行事です。
七五三(しちごさん)
七五三(しいちごさん)は、日本の伝統的な行事で、3歳と5歳の男の子、および3歳と7歳の女の子の成長と健康を祝います。この行事は毎年11月15日に行われますが、実際の日付は地域や家庭により異なることもあります。
七五三の起源は平安時代に遡り、当時の子供の高い死亡率を背景に、子供が無事に成長できることを祈る行事として始まりました。3歳、5歳、7歳は、子供の成長の重要な節目とされています。
七五三では、子供たちは新しい着物を着て、神社に家族と一緒に訪れます。神社では神職による祝詞が奏上され、子供たちの健康と幸せを祈ります。
また、七五三では「千歳飴」という長い飴を子供たちに与えます。これは、長寿と健康な生活を象徴しています。千歳飴は、色とりどりの紙や布で包まれ、鶴や亀などの形をした飾りがつけられています。
七五三は、子供たちの成長を祝い、家族が一緒に過ごす大切な時間となっています。
歳暮(せいぼ)
日本の伝統的な習慣で、一年の終わりに感謝の意を示すために贈り物をすることを指します。お世話になった人々への感謝の気持ちを表すために行われます。
歳暮の贈り物は、通常、12月中旬から年末にかけて送られます。贈り物の内容は、食品(特産品、高級果物、お酒、お茶など)、家庭用品、ギフトカードなど、受け取った人が実用的に使えるものが一般的です。
歳暮は、一年間の感謝の気持ちを形にする、日本の伝統的な行事です。
冬至(とうじ)
二十四節気のひとつ。
冬至(とうじ)は、一年で最も昼が短く夜が長い日を指します。これは太陽が最も南に位置する日で、北半球では12月21日または22日に訪れます。冬至は、冬の中心とも言われ、この日を境に日が長くなり始めるため、春の訪れを待つ希望の象徴ともされます。
日本では、冬至には特別な習慣があります。一つは「ゆず湯」で、湯船にゆずを浮かべて入浴します。
もう一つは、「かぼちゃ」を食べる習慣です。かぼちゃはビタミンやミネラルが豊富で、体を温める効果があるとされています。また、かぼちゃ(南瓜)の「南」は「なん」または「なむ」に通じ、これは「なむあみだぶつ」(南無阿弥陀仏)という仏教の教えを連想させ、厄除けや福来(福が来る)の意味があるとされています。
これらの習慣は、冬至を迎えることで新たな季節の訪れを祝い、また、寒さから身を守るためのものです。
すすはらい
日本の年末の習慣で、一年間の積み重なった「煤」や「汚れ」を払い除け、新しい年を迎える準備をする行事です。ここでの「煤」や「汚れ」は、文字通りの家の中の汚れだけでなく、心の中の悪い感情や運気の悪さをも指します。
すすはらいは、一般的に12月13日から28日までの間に行われます。この期間中、家の中を徹底的に掃除し、不要な物を捨て、新しい年を清々しく迎えるための準備をします。掃除は、家の中だけでなく、庭や玄関、屋根など、家の周りも含まれます。
大晦日(おおみそか)
大晦日(おおみそか)は、一年の最後の日を指し、日本では12月31日のことを指します。この日は、新しい年を迎える準備をする日であり、さまざまな伝統的な行事や習慣があります。
- 年越しの鐘(じょやのかね): 大晦日の夜に、寺院で108回の鐘が鳴らされます。これは、仏教の教えによれば、人間が持つ108の煩悩(欲望や無知から生じる心のもつれ)を払い除けるためです。
- 年越し蕎麦(としこしそば): 大晦日の夜に蕎麦を食べる習慣があります。蕎麦は細長く、これが長寿や良い運を象徴します。また、蕎麦は切りやすく、これが一年の災難を断ち切る意味も持っています。
以上、『日本の毎年めぐってくる行事一覧 季節ごとのイベント』を紹介しました。
美しい春夏秋冬の移り変わりの中で、毎年めぐってくる行事を次の世代に正しくつなげていきたいものですね。
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