日本の美しい『雅語・和語・大和言葉』から季節に関する言葉を春夏秋冬ごとにわけて一覧にしました。
移りゆく季節を繊細な表現で表した美しい古語をお楽しみ下さい。
春の言葉25選
- 朧月
【おぼろづき】
春の夜、空気中に水分の多い状況でぼんやりと見える月の事。 - 霞
【かすみ】
春の日の出や日没に山などにかかる雲が美しくいろどられること。 - 淡雪
【あわゆき】
春先のふわふわした消えやすい雪のこと。 - 堅雪
【かたゆき】
春の日差しで、解けかかった雪が夜の冷気で固く凍りついたもの。 - 残雪
【ざんせつ】
春になっても消えずに残っている雪。 - 雨水
【うすい】
二十四節気のひとつ。
雪から雨に変わり、雪が溶け始めるころ。 - 穀雨
【こくう】
春雨が降って畑や穀物を潤すという意味。 - 薄氷
【うすらい】
冬が過ぎ、春になる頃に、水面に薄く張った氷。 - 風光る
【かぜひかる】
暖かくなりはじめる季節、吹く風が輝くように思えること。 - 立春
【りっしゅん】
春の始まり。旧暦ではこの日が1年の始めとされ、行事や季節の節目はこの日が起点になる。 - 麗らか
【うららか】
空が晴れて、おだやかな天候。 - 啓蟄
【けいちつ】
二十四節気のひとつ。冬籠りの虫が這い出るように暖い日の様子。 - 春雷
【しゅんらい】
春の訪れを告げる雷。 - 春眠
【しゅんみん】
春の夜は短くて、眠り心地よいので、朝になっても起きれないこと。 - 清明
【せいめい】
二十四節気のひとつ。 全てのものが清らかで活発になる頃のこと。 - 陽炎
【かげろう】
太陽の光線により水蒸気が地面から炎のようににゆらゆら立ち昇って見える現象。 - 蜃気楼
【しんきろう】
大気の中で光が屈折し、遠方の景色や物体が伸びたり逆さまに見えたりする現象。 - 雪間
【ゆきま】
春になって雪が解け、積もった雪の消えた所。 - 春霖
【しゅんりん】
仲春から晩春にかけての雨の降りやすい天気。 - 春告げ鳥
【はるつげどり】
春が来たことを知らせる鳥。うぐいすの別名。 - 夜桜
【よざくら】
夜の花見。 - 春暁
【しゅんぎょう】
春の暁。夜明け近くの、まだ暗いころ。 - 春分
【しゅんぶん】
二十四節気のひとつ。昼と夜の長さが等しくなる日。 - 東風
【こち】
春に東から吹く風。 - 花曇り
【はなぐもり】
桜の咲く季節、空がぼんやりと曇っていて、のどかに見えること。
夏の言葉25選
- 片影
【かたかげ】
夏の暑い日、日差しが建物や塀などに影をつくること。 - 朝焼け
【あさやけ】
日の出前、東の空が真っ赤に染まる様子。 - 空蝉
【うつせみ】
この世に生きている人の意味。蝉の抜け殻。 - 朝凪
【あさなぎ】
夏の晴れた朝、風がほとんどなくなること。 - 青梅雨
【あおつゆ】
梅雨の季節、木々の葉に降る雨。 - 炎暑
【えんしょ】
厳しい真夏の暑さ。 - 薄暑
【はくしょ】
初夏の頃の、少し感じる程度の暑さ。 - 青田
【あおた】
稲がまだ実っていない7月下旬ごろの田。稲が青々としている田。 - 炎天下
【えんてんか】
夏の太陽の日差しが強く、焼きつけるような空の下。 - 打ち水
【うちみず】
暑い日、涼を得るため、庭や玄関先に水をまくこと。 - 夏至
【げし】
二十四節気のひとつ。六月二十一日ごろ。昼間の時間がもっとも長くなる。 - 五月晴れ
【さつきばれ】
陰暦五月の梅雨時の晴れ間。 - 蝉時雨
【せみしぐれ】
たくさんの蝉が、盛んに鳴くようすを時雨にたとえた言葉。 - 涼風
【すずかぜ】
真夏に吹くさわやかな風。 - 薫風
【くんぷう】
夏の南風。木々の間や水の上を通った風が、その香りを運んでくる。 - 土用波
【どようなみ】
晩夏にあたる「夏の土用」の時期に、発生する大波のこと。 - 夏座敷
【なつざしき】
夏、あけはなして涼しそうにした座敷。 - 草いきれ
【くさいきれ】
夏の暑い日、草原に立ち上るむっとした熱気。 - 早乙女
【さおとめ】
田植えをする若い女。 - 短夜
【みじかよ】
短い夏の夜。 - 小暑
【しょうしょ】
二十四節気のひとつ。七月七日ごろ。梅雨が明けて暑さが本格的になる。 - 大暑
【たいしょ】
二十四節気のひとつ。七月二十三日ごろ。一年中で一番暑い時。 - 立夏
【りっか】
二十四節気のひとつ。五月六日ごろ。暦の上で夏が始まる日。 - 走馬灯
【そうまとう】
回転することで、影絵が回るように見える吊り灯籠。 - 梅雨寒
【つゆざむ】
梅雨時にの季節外れの寒さ。
秋の言葉25選
- 秋時雨
【あきしぐれ】
秋の末頃に降るしぐれ。 - 桐一葉
【きりひとは】
桐の落葉のことで秋の象徴するとされる。秋の季感を表わす言葉。 - 秋深し
【あきふかし】
秋の気配が深まったことをいう語。秋のたけなわ。 - 刈田
【かりた】
稲を刈り取ったあとの田。 - 秋晴れ
【あきばれ】
空高く晴れ渡った秋のよい天気。空気が澄み、天が高く感じられる。 - 寒露
【かんろ】
二十四節気のひとつ。十月八日ごろ。霜になりそうな冷たい露。 - 秋の空
【あきのそら】
秋の頃の変わりやすい天気。 - 白露
【はくろ】
二十四節気のひとつ。九月八日ごろ。このころから秋の気配が感じられはじめる。 - 馬肥ゆる
【うまこゆる】
秋を迎え、冬に備えて馬の皮下脂肪が厚くなること。 - 霜降
【そうこう】
二十四節気のひとつ。十月二十三日ごろ。秋も深まり、このころ、霜が降り始めるという。 - 山粧う
【やまよそおう】
山の木々が紅葉して、化粧をしたように見える。 - 二百十日
【にひゃくとおか】
立春から数えて二百十日目のこと。九月一日ころにあたる。台風が来やすい時期と稲の開花期が重なることから、農家では厄日とされる。 - 鰯雲
【いわしぐも】
巻積雲の通称。秋空に小さな雲片が無数に連なった雲が、イワシが群れるさまのように見えることからついた名。 - 野分
【のわき】
「台風」の古い呼び名。 - 待宵
【まつよい】
陰暦八月十四日の宵のこと。翌日の十五夜の月を待つ夜という意味。 - 霧
【きり】
大気中の水蒸気が地表面の近くで凝結し、無数の微小な水滴となって浮遊する現象。 - 処暑
【しょしょ】
二十四節気のひとつ。八月二十三日ごろ。夏の暑さがおさまる頃の時期。 - 夜長
【よなが】
日が早く落ち、夜が長く感じられる頃。 - 灯火
【とうか】
明かりのこと。灯火の下で秋の夜長に読書を楽しむ。 - 立秋
【りっしゅう】
二十四節気のひとつ。暦ではこの日から秋になる。 - 秋気
【しゅうき】
秋の気配。秋らしく感じること。 - 中秋
【ちゅうしゅう】
陰暦の八月十五日。 - 虫時雨
【むししぐれ】
秋、鳴きしきる虫の声。 - 宵闇
【よいやみ】
宵のうち月が出なくて暗いこと。 - 名月
【めいげつ】
陰暦八月十五夜月。仲秋の満月。 - 露時雨
【つゆしぐれ】
雨の後のように一面に露が降りている状態。 - 初鴨
【はつがも)
秋の終わり、はじめて渡来する鴨。
冬の言葉25選
- 大雪
【たいせつ】
二十四節気のひとつ。十二月七日ごろ。この日が過ぎると寒さが厳しくなる。 - 三寒四温
【さんかんしおん】
寒い日が三日、暖い日が四日続くようなことが繰り返されて春になっていくこと。 - 風花
【かざばな】
舞うように降る雪。 - 大晦日
【おおみそか】
十二月の末日。 - 年越
【としこし】
古い年を送り、新しい年を迎えること。大晦日の夜。 - 木枯らし
【こがらし】
秋の終わり頃から冬の初めにかけて吹く冷たい風。 - 枯野
【かれの】
草が枯れ、霜の降った冬の野。 - 小春日和
【こはるびより】
晩秋から初冬にかけて、春のように暖かい日のこと。 - 氷柱
【つらら】
水のしずくが棒状に凍ったもので、軒下や木の枝などに垂れ下がる。 - 霜柱
【しもばしら】
土の中の水分が凍って、表土を持ち上げてできる柱状のもの。 - 樹氷
【じゅひょう】
冷えた濃霧が樹枝などに凍りついて白く美しく見えるもの。 - 霜花
【しもばな】
寒い冬の朝、窓などのガラスにできる花のような結晶模様。 - 霧氷
【むひょう】
氷点下で霧や雲が樹枝などに着いてできる氷。 - 立冬
【りっとう】
二十四節気のひとつ。十一月七日ごろ。暦の上では冬の始まり。 - 小寒
【しょうかん】
二十四節気のひとつ。「寒の入り」ともいう。寒気が強くなる。 - 大寒
【だいかん】
二十四節気のひとつ。一年のうちでもっとも寒い時期。 - 小雪
【しょうせつ】
二十四節気のひとつ。冬と言っても雪がまだそれほどでない時季。 - 寒の入り
【かんのいり】
寒の季節に入ること。 - 寒雷
【かんらい】
冬に発生する雷。 - 冬将軍
【ふゆしょうぐん】
冬のきびしさを人格化したことば。 - 空っ風
【からっかぜ】
冬の北西の乾燥した風。湿気の少ない風。 - 冬至
【とうじ】
二十四節気のひとつ。一年のうちで日が最も短い。 - 山眠る
【やまねむる】
冬の山が眠ったように静まり返ったようす。 - 冬ごもり
【ふゆごもり】
冬の寒い間、家や巣の中にとじこもって過ごすこと。 - 冬支度
【ふゆじたく】
厳しい冬の到来に備えての用意。
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