◆ 5. 古典文学や和歌に由来する名前
『万葉集』『古今和歌集』『源氏物語』などに見られる、古典に基づいた由緒ある名前のカテゴリです。
伝統的な美しさを残しつつも、今の時代にも馴染むような響きの名前を中心に集めます。和の文化を大切にしながら、奥ゆかしさや品の良さを感じさせる名を選びます。
- いづみ – 『万葉集』にも登場する清らかな泉にちなむ名
- かよ – 通う心、行き交う想いを表した優しい響き
- ちはや – 『ちはやぶる神代もきかず…』から取られた力強い表現
- たまき – 「玉の緒」「たまきはる」などに用いられる美しい語
- みやび – 雅やかさ、品のある振る舞いを意味する
- あやめ – 菖蒲の花を表す名。平安期の装飾にも好まれた
- うた – 和歌そのものを表す、詩的で柔らかな名
- かれん – 万葉の花に通じる可憐さをもつ名前
- すみれ – 万葉集でも詠まれる春の野花の象徴
- やまと – 古代日本を象徴する名。誇りと落ち着きのある響き
- ことの – 琴や言の葉など、日本語の美しさを込めた名
- しず – 「しづやしづ」のように、静かで優美な印象
- れん – 連なる・連理の枝など、つながりを大切にする意味
- うら – 心の奥、情緒の深さを表す大和言葉
- つきよ – 月夜の情景、和歌によく詠まれたロマンチックな名
- ほたる – 夏の夜を彩る儚い光として、和歌にしばしば登場
- あづさ – 梓弓など、古典的な道具や自然を表す語
- こまち – 小野小町から取られた美しさと教養の象徴
- かすが – 春日=自然の聖地・古都の名にちなむ高雅な響き
- すがた – その人らしい姿・形をあらわす、静かな余韻の名
◆ 6. 時間や季節にちなんだ名前
「はるひ」「ときね」「ゆうひ」など、時の流れや四季を表す大和言葉に基づいた名前です。
移ろいゆく季節や時の一瞬を切り取るような名前には、情緒や詩的な響きがあります。春・夏・秋・冬、それぞれの美しさを表現した中性的な名前がそろいます。
- はるひ – 春の日差しのようにあたたかい名
- ゆうひ – 夕陽のように切なく美しいイメージ
- あさぎ – 朝の空を思わせる清らかな響き
- なつき – 夏の木や気を思わせる、爽やかな印象
- ふゆか – 冬の静けさとやさしさを感じさせる名前
- あきと – 秋の穏やかさと深さを象徴する名
- こよい – 今夜という一瞬の時間に詩情をこめた響き
- みのり – 実り=秋の収穫や成果を意味する、豊かな名
- ときね – 時音=時間の流れや音のような繊細さを含む名
- しゅん – 「春(しゅん)」にも「旬」にも通じる洗練された響き
- よあけ – 夜明け=始まりや希望を象徴する名
- あかつき – 暁。古語としても美しく響く、始まりの時間
- はつね – 初音=春の訪れや第一声に通じる、希望のある名
- たそがれ – 黄昏。哀愁と静けさを湛えた詩的な響き
- なぎさ – 渚。季節の移ろいと海辺の情景を思わせる名
- あさひ – 朝日の光に包まれるような、前向きな印象
- よるね – 夜の音や静けさ、穏やかな眠りを連想させる名
コメント