夏の訪れとともに、ふと耳にする「蝉声」や「打水」といった言葉。これらは、風景や感情を繊細に映し出す“漢字熟語”として、古くから日本の文化や日常に息づいてきました。
ここでは、夏を彩る漢字熟語140語を、カテゴリ別に意味・読み方付きで紹介します。
夏の情景が浮かぶ漢字熟語 一覧
意味や使い方だけでなく、「暑中見舞いの文面に添えたい」「俳句や短歌に風情を持たせたい」「子どもの自由研究にも使いたい」そんな方にも応える構成にしました。
日本語表現力を高めたい方や、日本文化を言葉で味わいたい方に、今すぐチェックしてほしい内容です。
季節感あふれる夏の情景を表す熟語とは?
夏の情景を美しく切り取る漢字熟語には、日本文化の風情が息づいています。青空、入道雲、蝉の声、花火大会など、視覚や聴覚に訴える言葉が多く存在します。この記事では、そうした熟語の意味や使い方をわかりやすく紹介します。夏の俳句や手紙、SNS投稿に季節感を添えたい方にぴったりの内容です。
- 青空(あおぞら)
雲ひとつない晴れた空。夏の代表的な風景。 - 真夏(まなつ)
一年で最も暑さが厳しい時期。7〜8月を指すことが多い。 - 盛夏(せいか)
夏の盛りの季節。最も暑さがピークに達する頃。 - 夕陽(ゆうひ)
日が沈む直前の赤く染まった太陽。夏の終わりを感じさせる。 - 涼風(りょうふう)
夏の暑さの中で感じられる心地よい風。 - 入道雲(にゅうどうぐも)
もくもくと立ち上る夏の積乱雲。雷雨の前兆でもある。 - 日差(ひざし)
太陽の光。夏の日差しは特に強烈。 - 蝉声(せんせい)
蝉の鳴き声。夏の訪れとともに響き渡る自然音。 - 浜辺(はまべ)
海と陸の境目。海水浴や夕涼みに親しまれる場所。 - 避暑地(ひしょち)
涼を求めて訪れる山や高原などの地域。 - 照空(しょうくう)
まぶしく照らされる青空。強い日照の印象。 - 夏空(なつぞら)
夏独特の透明感と光を感じさせる空の色。 - 緑陰(りょくいん)
木々の葉が作り出す木陰。夏の憩いの場。 - 朝焼(あさやけ)
夏の早朝、東の空が赤く染まる現象。
自然と気象にまつわる夏の漢字熟語の意味と使い方
猛暑、炎天、夕立、酷暑など、夏特有の自然現象や気象を表す熟語は日常会話にも頻繁に登場します。漢字がもつニュアンスを通じて、気温や天候の変化を的確に表現できるのが魅力です。熱中症対策の情報収集や、ニュースを読むときにも役立ちます。
- 猛暑(もうしょ)
異常なほどに暑い夏の日。熱中症注意が必要な気温。 - 酷暑(こくしょ)
耐えがたいほどの厳しい暑さ。猛暑よりさらに強い表現。 - 炎天(えんてん)
太陽が照りつける暑い晴天。焼けるような暑さを連想させる。 - 熱波(ねっぱ)
異常な暑さが続く気象現象。高齢者や子どもへの影響が懸念される。 - 炎暑(えんしょ)
燃えるような真夏の暑さ。古風な表現にも使われる。 - 蒸暑(じょうしょ)
湿気をともなった暑さ。不快指数が高いときに感じる暑気。 - 酷熱(こくねつ)
きわめて高温であること。厳しい灼熱の状態。 - 夕立(ゆうだち)
夏の午後から夕方にかけて突然降る激しい雨。 - 雷雨(らいう)
雷をともなう激しい雨。夏の山間部などでよく見られる。 - 突風(とっぷう)
突然吹く強い風。夏の気圧変化によって起こりやすい。 - 白夜(びゃくや)
北国などで、太陽が沈んでも暗くならない現象。夏特有。 - 乾熱(かんねつ)
湿度が低く、肌を刺すような乾いた暑さ。内陸地域に多い。 - 梅雨明(つゆあけ)
梅雨が終わり、夏本番が始まること。 - 酷日(こくじつ)
日差しが強烈な日。炎天下のイメージを強調。
夏の風物詩を表す熟語:行事と文化を漢字で味わう
夏祭り、浴衣、金魚すくい、盆踊り――日本の夏を彩るイベントや習慣を表す熟語には、独自の文化と美意識が詰まっています。その背景や由来も合わせて知ることで、言葉の理解がより深まり、外国人への説明や観光案内にも応用できます。
- 夏祭(なつまつり)
夏に各地で行われる祭礼。山車や神輿、盆踊りなどが見られる。 - 打水(うちみず)
道や玄関先に水をまいて暑気を和らげる日本の風習。 - 灯籠(とうろう)
夏の夜を彩る灯り。祭りやお盆行事にも登場。 - 盆踊(ぼんおどり)
お盆の時期に先祖の霊を迎え、送るために踊る伝統行事。 - 浴衣姿(ゆかたすがた)
夏祭りなどで見られる、涼しげな着物姿。 - 風鈴(ふうりん)
風に揺れて涼やかな音を響かせる夏の風物詩。 - 金魚鉢(きんぎょばち)
水の中を泳ぐ金魚が夏らしさを演出するガラスの器。 - 線香花火(せんこうはなび)
静かに火花を散らす小さな花火。儚さを感じさせる。 - 打上花火(うちあげはなび)
夜空に大輪の光を咲かせる夏の風物詩の代表格。 - 夜店(よみせ)
夏祭りなどで並ぶ露店。綿あめや射的が人気。 - 灯火(とうか)
夜にともす明かり。提灯やろうそくの柔らかい光を連想。 - 流灯(りゅうとう)
お盆や精霊流しで水に浮かべる灯籠。 - 団扇絵(うちわえ)
団扇に描かれた風物や人物の絵。江戸文化の粋が表れる。 - 夏越祓(なごしのはらえ)
半年の穢れを祓う神事。茅の輪をくぐる風習が有名。
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