夏の食べ物の季語一覧
初夏(太陽暦5月・旧暦4月)
魚介類
- 鯵(アジ) — 初夏に脂がのる、大衆魚の代表的な旬の味。
- 穴子(アナゴ) — 柔らかな身が持ち味の魚。初夏から美味しくなる。
- 鯖(サバ) — 冷たい海から上がってくる、季節感のある青魚。
- 初鰹 — 初夏に上る鰹。さっぱりした味わいが好まれる。
- 烏賊(イカ) — 身がしまった初夏のイカは刺身や天ぷらに重宝される。
野菜・山菜・穀物・果物
- 明日葉(アシタバ) — 摘んでも翌日には新芽が出るとされる生命力の強い野菜。
- 苺(イチゴ) — 春から初夏にかけて出回る甘酸っぱい果物。
- 豌豆(エンドウ) — 若いさやや豆を食べる、春〜初夏の豆類。
- キャベツ — 春キャベツから初夏にかけて柔らかく甘みが増す。
- 行者大蒜(ギョウジャニンニク) — 山に自生する香りの強い山菜。
- 莢豌豆(サヤエンドウ) — 若いさやごと食べる、色鮮やかな初夏の野菜。
- 蓴采(ジュンサイ) — 池沼に生える水草の新芽で、つるりとした食感が特徴。
- 新じゃが — 採れたての若いじゃがいも。皮ごと調理されることが多い。
- 新玉葱 — 水分が多く辛味の少ない、春〜初夏の玉ねぎ。
- 蚕豆(ソラマメ) — さやが空を向いて実る、初夏の豆類。
- 筍 — 春から初夏にかけて掘られる竹の若芽。
- 浜豌豆(ハマエンドウ) — 海岸に自生する豆で、春〜初夏の野草として知られる。
- 蕗(フキ) — 茎を煮物や佃煮にする、春から初夏の山菜。
- 麦(ムギ) — 初夏に穂が色づく穀物。新麦として季語にも用いられる。
- 夏蕨 — 初夏に出る蕨で、山菜として食される。
菓子・料理
- 淡雪羹 — 卵白を使ったふわりとした口当たりの寒天菓子。
- 柏餅 — 柏の葉で包んだ餅。端午の節句に欠かせない菓子。
- 伽羅蕗 — 甘辛く煮含めた蕗の佃煮。香り高い保存食。
- 金玉糖 — つぶつぶとした形の砂糖菓子で、口に含むと溶けていく。
- 葛桜(葛饅頭) — 葛で包んだ餡を桜の葉にのせた涼やかな菓子。
- 葛餅 — 葛粉を固めて作る、のど越しのよい和菓子。
- 筍飯(篠の子) — 筍をたっぷり混ぜ込んだ旬の炊き込みご飯。
- ちまき — 笹の葉などで包んだ餅。端午の節句の行事食。
- 古茶 — 一年越しの茶葉。季節の移り変わりを感じさせる。
- 豆飯 — 青豆やエンドウを混ぜた春〜初夏のご飯。
- 水羊羹 — 冷やして食べる羊羹。暑さを先取りする涼菓。
飲み物
- 葛水 — 葛粉を溶かした飲みもの。のどを潤す夏近い季節の飲料。
- 新茶 — 初夏に摘み取られた、香り高い一年最初のお茶。
仲夏(太陽暦6月・旧暦5月)
魚介類
- 鮎(アユ) — 「香魚」とも呼ばれる、夏の川魚の代表。
- 虎魚(オコゼ) — 見た目は怖いが、身は美味な高級魚。
- 鰹(カツオ) — 初鰹から続き、脂ののった戻り鰹まで長く楽しまれる。
- キス(魚) — 白身が上品な、夏の投げ釣りの定番魚。
- 黒鯛(クロダイ)(チヌ) — 岸辺で釣れる夏の人気魚。
- 鯒(コチ) — さっぱりとした白身で、刺身にも向く。
- ゴリゴリ — 川や湖にすむ小魚を総称的に呼ぶ地方名。
- 飛魚(タビウオ) — 海上を滑空する姿が夏の海を思わせる。
- ベラ — カラフルな小型魚で、夏の磯釣りの対象。
- 蟹(カニ) — 夏の海や川に多く、食材としても重宝される。
野菜・果物・香味野菜
- 青梅 — 梅酒や梅干用に漬け込む、初夏の青い梅。
- 杏(アンズ) — 甘酸っぱい初夏の果物。
- 隠元豆(インゲンマメ)(泥鰌隠元) — 夏に収穫されるさや豆。
- クレソン — 清流に育つ香味野菜。サラダや肉料理の付け合わせに。
- 桑の実 — 木に生る黒紫の実で、ジャムなどにされる。
- さくらんぼ — 初夏に旬を迎える赤い宝石のような果実。
- 紫蘇(シソ) — 梅干や薬味に欠かせない香味野菜。
- 新生姜 — 若い生姜で、甘酢漬けなどに使われる。
- 李(スモモ) — 甘酸っぱく、夏の味覚として人気。
- 玉葱(タマネギ) — 初夏に新玉から順次出回る野菜。
- 夏茱萸(ナツグミ) — 赤い実をつける木の実で、初夏の風物。
- 夏大根 — 辛味がさっぱりとした夏の大根。
- 夏葱 — 夏に収穫される葱で、薬味として活躍する。
- 葫(ニンニク)(大蒜) — 収穫期を迎えたにんにく。スタミナ食材。
- パイナップル — 南国を思わせる香り高い果物。
- バナナ — 年中あるが、夏の果物としても親しまれる。
- 枇杷(ビワ) — 初夏に実る、やさしい甘さの果物。
- 実梅 — 加工用として収穫される梅の実全般。
- 山桜梅(ユスラウメ) — 小さな赤い実をつける木で、初夏の庭を彩る。
- 辣韮(ラッキョウ) — 梅雨どきに漬物にされる、小さな球根野菜。
菓子・料理
- 梅干 — 青梅を塩と紫蘇で漬けた保存食。夏の食欲増進にも。
- 白玉 — 白玉粉で作る団子。冷たい甘味に用いられる。
- 水飯(干飯) — 干した飯を水で戻して食べる、夏向きの簡素な食事。
- 饐飯 — 発酵した飯。古い食文化をしのばせる言葉。
- 鮨 — 酢飯と魚を合わせた料理。夏場は特に涼やかなご馳走。
- ゼリー — 冷やして食べる洋風の寒天・ゲル菓子。
- 心太 — ところてん。酢醤油などで食べる涼味。
- 生節 — 茹でて干した鰹などの加工品。
- 蜜豆 — 寒天や豆、果物を盛った甘味。
- 麦飯 — 米に麦を混ぜたご飯。夏の体調管理にも用いられる。
- 茹小豆 — 小豆を茹でたもの。甘味作りの下ごしらえ。
飲み物・宴
- 梅酒 — 青梅を漬け込んで作る甘酸っぱいリキュール。
- 早稲饗 — 早く実る稲の恵みに感謝する饗応・酒宴。
晩夏(太陽暦7月・旧暦6月)
魚介類
- 洗鯉 — 鯉を洗い〆にした料理。冷たくして供される。
- 石首魚(イシモチ) — 白身の魚で、夏の煮付けや塩焼きに好まれる。
- 鰻(ウナギ) — 土用の丑の日に食べる夏のスタミナ食。
- カマス — 細長い体の魚で、塩焼きに合う。
- カンパチ — ブリ類の一種。夏の刺身や照焼きに人気。
- 舌鮃(シタビラメ) — 舌のように平たい魚。ムニエルなど洋風料理にも。
- 泥鰌(ドジョウ) — 柳川鍋などで知られる、小さな淡水魚。
- 土用鰻 — 土用の丑の日に食べる鰻を特に指す季語。
- 鯰(ナマズ) — 川魚で、蒲焼きや鍋に用いられる。
- 鱧(ハモ) — 夏の京料理に欠かせない高級魚。
- 山女魚(ヤマメ) — 清流に住む川魚で、夏の渓流釣りの人気。
- 土用蜆 — 土用の頃に旬を迎える蜆。味噌汁などに。
野菜・果物・海藻など
- 瓜(ウリ) — 夏に冷やして食べる、さっぱりとした野菜。
- 木苺(キイチゴ) — 山に自生する野生のベリー。
- 胡瓜(キュウリ) — 生でかじると涼を感じる、夏野菜の代表。
- 越瓜(シロウリ)(浅瓜) — 白い果肉を持つ瓜で、浅漬けなどにされる。
- 藷(新走り) — 収穫間もない新芋を指す。
- 新蓮 — 掘りたての新しい蓮根。
- スグリの実 — 透明感のある酸味の強い小さな果実。
- スベリヒユ — 畑や路地に生える野草で、食用にもされる。
- セロリ — 香りの強い洋野菜で、夏のサラダに合う。
- トマト — 冷やしても煮ても美味しい、夏の代表的な野菜。
- 茄子(ナス) — 水気を多く含み、夏料理に欠かせない。
- パセリ — 彩りと香りを添えるハーブ。
- ハタンキョウ — 小さな実をつける果樹で、ジャムなどにされる。
- 早桃 — 早く出回る桃で、夏の始まりを告げる果物。
- ピーマン — 夏に豊富に出回る緑の野菜。
- まくわ瓜 — 甘味のある日本的メロンの一種。
- マンゴー — 南国を代表する濃厚な甘さの果物。
- メロン — 夏の贈答品としても人気の高い果物。
- 楊梅(ヤマモモ)(山桃) — 赤い粒状の実をつける果樹。
- 若牛蒡(ワカゴボウ) — 若いごぼうで、柔らかく炊き合わせに向く。
- 荒布(アラメ) — 昆布に似た海藻で、煮物などに用いる。
- 昆布(コンブ) — だし取りから佃煮まで、和食に欠かせない海藻。
- 布海苔(フノリ) — みそ汁や酢の物に使われる細い海藻。
菓子・料理
- アイスクリーム — 夏に人気の冷たい洋菓子。
- 沖膾 — 海辺で供される魚介の膾(なます)。
- かき氷 — 氷を削って蜜をかけた、夏の定番涼菓。
- 干飯 — 乾かしたご飯。保存食として夏の旅にも役立つ。
- 胡瓜もみ — 薄切り胡瓜を塩もみした、簡素な夏の一品。
- 氷餅 — 凍らせて乾燥させた餅。古くからの保存食。
- 鴫焼 — 鴫などの鳥を焼いた料理の総称。
- 素麺 — 細い小麦麺。冷やしてつゆで食べる夏の主役。
- 泥鰌鍋 — ドジョウを煮込んだスタミナ料理。
- 茄子漬 — 茄子を漬けた夏の漬物。
- 夏料理 — 冷たいものやさっぱりした味を中心とした季節料理の総称。
- はったい粉 — 麦を炒って挽いた粉。昔ながらの粉もの菓子。
- 冷やし中華 — 冷水でしめた中華麺に具をのせた夏の人気メニュー。
- 冷汁 — 冷たい味噌仕立ての汁で、ご飯にかけて食べる郷土料理。
- 冷素麺 — 冷やした素麺。氷水に浮かべて供されることも多い。
- 冷麦 — 素麺より少し太い冷たい小麦麺。
- 冷奴 — 冷やした豆腐に薬味をのせた、夏向きの一皿。
- 氷菓(氷菓子) — 氷や冷凍した菓子類の総称。
- 船料理 — 船上で供される魚介中心の料理。
- 水貝 — 氷水に貝を浮かべた、見た目にも涼しい料理。
- 飯饐る — 暑さでご飯が傷みやすい様子をとらえた季語。
飲み物
- アイスコーヒー — 氷を入れた冷たいコーヒー。夏の定番ドリンク。
- 泡盛 — 沖縄特産の蒸留酒。夏の海と結びつく印象が強い。
- 氷水 — 氷を浮かべた冷たい水。暑気払いに欠かせない。
- サイダー — 炭酸入りの甘い清涼飲料。
- 砂糖水 — 砂糖を溶かした水。素朴な甘味飲料。
- 焼酎 — 穀物や芋を原料とした蒸留酒。夏は水割りやロックで。
- ソーダ水 — 甘味のない炭酸水。シロップを加えても楽しまれる。
- ビアガーデン — 屋外でビールを楽しむ夏の風物詩。
- ビール — キンと冷やして飲む、夏の代表的アルコール飲料。
- 冷酒 — 冷やした日本酒。暑い夜に好まれる。
- 冷し汁 — 飲み物にも食べ物にもまたがる、冷たい汁物としての季語。
- 蝮酒 — マムシを漬けた薬酒。
- 麦茶 — 焙煎した麦を煮出す、夏の家庭の定番飲料。
- ラムネ — ガラス玉入り瓶で親しまれてきた炭酸飲料。
- レモン水 — レモンを搾った酸味のある清涼飲料。
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