冬の植物の季語一覧
🌱 初冬(孟冬・立冬〜12月上旬)
落葉・紅葉・季節の変わり目
- 銀杏落葉(いちょうおちば) — 銀杏の葉が黄金色に散り敷く晩秋から初冬の風景。
- 柿落葉(かきおちば) — 柿の葉が赤く色づき落ちる初冬の風情。
- 紅葉散る(もみじちる) — 風に舞い散る紅葉が季節の移ろいを告げる。
- 冬紅葉(ふゆもみじ) — 冬の寒気の中、遅れて色づく紅葉。
- 朴落葉(ほおおちば) — 大きな朴の木の葉がばさりと落ちる様子。
花・木・草(初冬に咲く/見られる植物)
- 帰り花(かえりばな) — 冬に季節外れで返り咲く花。
- 寒葵(かんあおい) — 寒さの中で咲く地味ながら力強い花。
- 寒竹の子(かんたけのこ) — 冬に顔を出す若い竹の芽。
- 寒蘭(かんらん) — 香り高く冬に咲く蘭の仲間。
- 山茶花(さざんか) — 冬に咲く紅白の花が庭を彩る。
- 茶の花(ちゃのはな) — 素朴な白花をつける茶の木の冬花。
- 石蕗の花(つわぶきのはな) — 黄色い花が冬の庭を明るくする。
- 柊の花(ひいらぎのはな) — 清らかな香りを放つ冬の白花。
- 枇杷の花(びわのはな) — 冬に甘い香りを漂わせる白花。
- 冬葵(ふゆあおい) — 冬の畑に見られる葵の仲間の花。
- 八手の花(やつでのはな) — 房状の白花を冬に咲かせる大葉の木。
芽・若芽・地面の変化
- 麦の芽(むぎのめ) — 冬の畑に青々と芽生える麦の若芽。
🌿 仲冬(12月中旬〜1月上旬)
冬に咲く花・園芸植物(外来種が中心)
- 甘蔗の花(かんしょのはな) — 風に揺れる淡い花穂。南方の冬景色。
- クリスマスローズ — 冬に咲く多年草。俯くような花姿が特徴。
- 蝦蛄葉仙人掌(しゃこばさぼてん) — 冬に鮮色の花を咲かせる人気園芸植物。
- ポインセチア — 真紅の苞が冬の飾りとして親しまれる。
🌸 晩冬(季冬・1月中旬〜立春まで)
冬から早春に咲く代表花
- 寒独活(かんうど) — 冬の地中から伸びる独活の若芽。
- 寒木瓜(かんぼけ) — 寒さの中で咲く紅の花木。
- 水仙(すいせん) — 冬の陽光に香りを放つ代表的冬花。
- 早梅(そうばい) — 立春を待たずに咲き始める梅。
- 冬の梅(ふゆのうめ) — 冬景色の中で香りを放つ梅の花。
- 冬椿(ふゆつばき) — 寒さに耐えて咲く椿の花。
- 冬菫(ふゆすみれ) — 冬の地面に可憐な花を見せる菫。
冬の植物 – 食べ物の季語一覧
初冬(太陽暦11月・旧暦10月)
野菜・果物・海藻
- 蕪(カブ) — 冬の煮物に欠かせない根菜。
- キウイ — 晩秋から冬にかけて出回る果物。
- 牛蒡(ゴボウ) — 冬に香りが強くなる根菜。
- 新海苔 — 冬の海で採れる香りのよい海苔の新物。
- 大根(ダイコン) — 冬の代表的根菜。おでん・風呂吹きなどで大活躍。
- 人参(ニンジン) — 冬に甘味が増し、煮物に向く。
- 葱(ネギ) — 冬の体を温める薬味野菜。
- 白菜 — 鍋物に不可欠な冬野菜。
- 蓮根(レンコン) — 冬の煮物や天ぷらに用いられる穴の空いた根菜。
- 滑子(ナメコ) — 冬の味噌汁などに使われるぬめりのある茸。
仲冬(太陽暦12月・旧暦11月)
果物・野菜・冬野菜
- 金柑(キンカン) — 甘酸っぱい冬の果物。
- 朱欒(ザボン) — 大型の柑橘で冬の贈答品にもされる。
- 青硬采(チンゲンサイ) — 冬に甘みが増す青菜。
- 冬至南瓜 — 冬至に食べて無病息災を祈る。
- 冬苺 — 冬に実る野生の苺。
- 冬菜 — 冬に採れる青菜全般。
- 冬野菜 — 冬が旬となる野菜の総称。
- 冬林檎 — 冬に美味しくなる林檎。
- 蜜柑(ミカン) — 冬の果物の代表。炬燵と相性抜群。
晩冬(太陽暦1月・旧暦12月)
野菜
- 小松菜(コマツナ) — 冬に旬を迎える青菜。
新年の植物の季語一覧
- 若菜(わかな) — 年の初めに摘む若い菜。無病息災を願う「若菜摘み」に由来する新年の季語。
- 楪(ゆずりは) — 新しい葉が出てから古い葉が落ちるため、家系の繁栄・代替わりの象徴として正月飾りに使われる。
- 橙(だいだい)/橙の実 — 「代々」に通じることから正月飾りの縁起物。繁栄や家運長久を願う果実。
- 歯朶(しだ) — シダ植物の総称。常緑で枯れにくいことから、正月飾りや神事に用いられる縁起物。
- 福寿草(ふくじゅそう) — 正月頃に黄金色の花を咲かせる吉祥の花。名前の通り「幸福」と「長寿」を象徴する。
- 薺(なずな) — 春の七草の一つ。正月七日に食べる「七草粥」に使われ、新年の無病息災を祈る。
- 御行(ぎょう/みゆきぐさ) — ヒメナズナの古名で七草の一つ。早春を告げる若草として新年の膳に用いられる。
- 仏の座(ほとけのざ) — 七草の一つ。ロゼット状の葉姿が“仏の座る姿”に見立てられたことに由来する。
- 穂俵(ほだわら) — 脱穀後の稲の束。正月飾り・神事に使われ、豊作祈願の象徴となる。
- 柚柑(ゆこう)/柚子の実 — 新年の香りをもたらす柑橘。正月料理や縁起物として用いられる。
新年の食べ物の季語一覧
新年の食は 祝肴・祝いの野菜・雑煮・餅・神事食 などが中心です。
祝い野菜・香草・穀物
- 寒芹(かんぜり) — 冬の芹。春の七草にも使われ、若々しさを象徴。
- 黒豆 — 「まめに働く」の願いを込めた正月料理。
- 橙(だいだい) —「代々栄える」に通じる縁起物。
- 七種(ななくさ) — 春の若菜七種。無病息災を願う。
- 蓬莢(よもぎ) — 邪気を祓うとされ、新年の草餅などに使われる。
- 若菜(わかな) — 新年に摘む若い菜。長寿の象徴。
- 薺(なずな) — 七草のひとつ。正月明けに食す。
餅・粥・行事食
- 小豆粥(あずきがゆ) — 邪気を祓う赤小豆の粥。十五日粥として食される。
- 切山椒 — 山椒の香りがある新年の菓子。厄除けの意味を持つ。
- 七種粥(ななくさがゆ) — 一月七日に食す粥。無病息災を祈る。
- 結び昆布 — 昆布は「喜ぶ」に通じる縁起物。
俳句だけでなく、日常の文章にも季語を少しだけ
春の若菜や菜の花、夏の蓮や青葉、秋の紅葉や木の実、冬の椿や柚子、新年の福寿草や橙──。
植物の季語には、それぞれの季節ならではの空気や祈りが静かに宿っています。
俳句や短歌づくりはもちろん、
- 季節の挨拶文やビジネスメールの結び
- 年賀状・暑中見舞い・残暑見舞いの一言
- 子どもの作文や読書感想文の言葉選び
など、さまざまな場面で四季の言葉がそっと役立ちます。
この季語の一覧が、あなたの日常や表現をより豊かにする小さな手がかりになりますように。
FAQ よくある質問
Q. 植物の季語にはどんなものがありますか?
植物の季語には、春なら桜・梅・若菜、夏なら紫陽花・青葉・蓮、秋なら紅葉・秋桜・木の実、冬なら椿・水仙・柚子などがあります。この記事では、四季と新年ごとに、花・木・草・実・野菜・果物・食べ物の季語を一覧で整理しているので、「この季節にはどんな植物の季語があるか」をまとめて確認できます。
Q. 植物の季語は俳句や短歌にどう使えばいいですか?
植物の季語を俳句や短歌に使うときは、「季節を一言で伝えるサイン」として選ぶのがおすすめです。例えば、春なら桜や若菜、夏なら青葉や蓮、秋なら紅葉や秋桜、冬なら椿や柚子など、その一句でもっとも伝えたい季節の空気に合う季語を一つ決めて入れます。この記事の植物の季語一覧から、季節や情景に合う言葉を選んでいくと、自然に季節感のある作品に近づきます。
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