水にまつわる美しい古語一覧 100選|流れ・水面・波の表情を伝える言葉

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4. 水の状態・性質|見え方や変化としての水

水が澄む、濁る、満ちる、引く――。 ここでは、水そのものが持つ状態や質感、見た目の変化を表す古語を集めました。 動きではなく、水が「どのように在るか」に焦点を当てた言葉です。

  1. ささにごり
    水がごくわずかに濁った状態。完全には澄みきらない、淡いにごりを含む。
  2. 澄む(すむ)
    水が濁りなく透き通ること。底まで見える静かな状態。
  3. 濁る(にごる)
    水に不純物が混じり、透明さを失うこと。見通しが悪くなる状態。
  4. 清し(きよし)
    水が澄み、汚れを感じさせないさま。清浄で落ち着いた印象を含む。
  5. 冷ゆ(ひゆ)
    水が冷たくなること。触れたときに冷気を感じさせる状態。
  6. 温む(ぬるむ)
    水が冷たさを失い、やや温かくなること。季節の移ろいを含む表現。
  7. 浅し(あさし)
    水の深さが少ないこと。底が近く、軽やかな印象をもつ状態。
  8. 深し(ふかし)
    水の深さが大きいこと。奥行きや重さを感じさせる状態。
  9. 満ち欠け(みちかけ)
    水量が増減すること。特に潮や水位の周期的な変化を指す。
  10. 水泡(みなわ)
    水面に生じる泡。すぐに消えるはかなさを含む状態。
  11. 泡(あわ)
    水の中や表面に生じる小さな気泡。軽く、定まらない性質。
  12. 沫(あわ)
    水が砕けて生じる細かな泡。飛び散るような泡を指す。
  13. 水煙(みづけぶり)
    水しぶきが霧のように立ちのぼる状態。水の動きが空気に広がるさま。
  14. 白波(しらなみ)
    波が砕け、白く見える状態。風や流れの強さを示す。
  15. 細波(ささなみ)
    水面に立つ細かな波。穏やかで繊細な動きを含む。
  16. 荒まし(あらまし)
    水や波の音が荒々しく激しいさま。静けさを破る水の強い気配を示す形容。

 

5. 水面・情景・詩語|目に映り、心に残る水のことば

水面に映る光や影、音や余韻として感じられる水の姿を表す古語を集めました。 直接的な動きや性質ではなく、情景や気配として水を捉えた言葉が並びます。 詩や物語の中で、水がもつ静かな存在感を伝える語群です。

  1. 水影(みづかげ)
    水面に映る物の影。揺らぎを伴いながら、形を一時的に映し出す水の表情。
  2. 水鏡(みづかがみ)
    鏡のように物を映す静かな水面。澄みきった水の平らな状態を表す。
  3. 花の鏡(はなのかがみ)
    花が水面に映った姿を鏡に見立てた表現。儚さや美しさを含んだ詩語。
  4. 玉水(たまみづ)
    清らかで美しい水。澄みきった水を宝玉になぞらえた呼び名。
  5. 若水(わかみづ)
    新しい年の初めに汲む清浄な水。新しさや清新な気配を帯びる。
  6. 神水(しんすい)
    神聖なものと結びつけて捉えられる水。清浄さが強調された表現。
  7. 水面(みなも)
    水の表面。光や影、波が映り込み、刻々と表情を変える場所。
  8. 汀勝る(みぎはまさる)
    水際の水かさが増すこと。静かに水位が高まる様子を含む表現。
  9. 水隠る(みがくる)
    水の中に隠れて見えなくなること。水に包まれるような感覚を伴う。
  10. 浮き木(うきき)
    水面に浮かぶ木片。流れに身を任せる小さな存在を示す。
  11. 行水(ぎやうず)
    水を浴びること。自然の水に触れる涼やかな情景として用いられる場合に限る。
  12. 水路浅し(みづぢあさし)
    水の流れる筋が浅くなっているさま。水量の少なさが景として表れる表現。
  13. 川淀(かはよど)
    川の流れが緩み、水が滞る所。静まり返った水のたまり。
  14. 川音(かはおと)
    川の水が流れることで生じる音。絶えず続く自然の響き。

水の古語は、日本語の感受性を伝えている

水をどう呼び、どう分けてきたかは、日本語が自然と向き合ってきた歴史そのものです。
ここに挙げた言葉は、読むだけでも情景が浮かび、使うことで表現に深みを与えてくれます。
心に残った語を、ぜひ自分の中の言葉として育ててみてください。

 

FAQ よくある質問

水を表す古語にはどんなものがありますか?

水を表す古語には、「水(みづ)」のような基本語のほか、「泉」「淵」「瀬」「渚」など、水の場所や状態を細かく言い分ける語があります。 流れの速さや深さ、澄み具合、水面の様子まで表現できる点が特徴です。

水の古語は、どんな場面で使われてきた言葉ですか?

水の古語は、和歌や物語の中で自然の情景を描くために多く使われてきました。 川の音や水面の揺らぎなど、目に見える景色だけでなく、気配や空気感を伝える役割も担っています。

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