「雪」にまつわる日本語表現 100種類|日常・和歌・季語・風物詩で使われる言葉一覧

「雪」にまつわる日本語表現 |日常・和歌・俳句・文化で使われる言葉一覧 言葉
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2. 雪の情景を美しく描く──「しら雪」「淡雪」などの古語表現

「雪」は単に白く冷たいだけでなく、その美しさやはかなさを表現するために、多くの形容語が用いられてきました。「白妙の雪」「しら雪」「淡雪(あわゆき)」「はだ雪」などは、古語や和歌によく登場する表現で、それぞれ微妙に異なるニュアンスを持っています。

  1. 白雪(しらゆき)
    真っ白な雪。純粋さや清らかさの象徴として使われる。
  2. 白妙の雪(しろたえのゆき)
    白妙=白い布の意。白く柔らかな雪を詩的に表現した枕詞的表現。
  3. 淡雪(あわゆき)
    軽くてすぐに消えるような淡い雪。春先のはかない雪を指すことが多い。
  4. 初雪(はつゆき)
    その年最初に降る雪。冬の始まりを象徴する清新な情景を表す。
  5. たま雪(たまゆき)
    玉のように美しく白い雪。和歌では雪の美称として多用される。
  6. 雪の花(ゆきのはな)
    雪を花にたとえた美称。舞い散る様子を桜や梅と重ねて詠むことも。
  7. しら雪(しらゆき)
    古語における「白雪」の表記。音や語感を重視した和歌的表現。
  8. 降り積む雪(ふりつむゆき)
    静かに積もり続ける雪。時間の経過や深まる感情を表現する。
  9. 雪の衣(ゆきのころも)
    雪を衣のように見立てた比喩的修飾語。自然が雪に包まれる様子。
  10. 白銀(しろがね)
    銀のように輝く雪景色を形容する語。古語では雪景を詠む際の常套表現。
  11. 雪の声(ゆきのこえ)
    雪が降る静けさを「音」として表現した詩的語。実際に音はしないが、情緒的な描写。
  12. 花の雪(はなのゆき)
    雪を花にたとえた美称。特に春先の雪を「花びら」に見立てることが多い。
  13. 雪のかげ(ゆきのかげ)
    月明かりに照らされた雪の光。夜の雪景色の幻想的な情景に使われる。
  14. 夜雪(やせつ)
    夜に降る雪。しんしんと静かに積もる雪を表し、俳句や和歌でも使われる。
  15. 細雪(ささめゆき/ほそゆき)
    細かく静かに降る雪。繊細さや哀愁のある情景に使われる。
  16. 雪華(せっか)
     雪の結晶。極めて美しい自然の造形を称える表現。
  17. 雪片(せっぺん)
     一片一片の雪のかたまり・結晶。文学では舞う様子を詠む。
  18. 今朝の雪(けさのゆき)
     その朝に降った新雪。新鮮な感動や始まりの象徴。
  19. 六出(りくしゅつ/むつで)
    雪の異称。雪の結晶が六角形(六放射)であることから生まれた雅語。和歌・俳句でも用いられる。
  20. 寒花(かんか)
    寒中に咲く花の意から、雪・霜の美を花に見立てた詩語としても用いられる。静謐な冬景の比喩。
  21. 天華(てんげ)/天花(てんか)
    天から降る花。雪を花びらに見立てた古語表現。仏典語彙とも響き合う神秘的な比喩。
  22. 瑞花(ずいか)
    めでたい雪・吉兆をもたらす雪をいう雅語。五穀豊穣への願いを含意することもある。
  23. 玉屑(ぎょくせつ)
    玉(宝玉)のかけら。きらきらと舞う雪片・氷片を玉にたとえた詩語。漢詩・俳諧でも用例。

 

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