9. 別れ・断念・終焉
- 思ひ絶ゆ|おもひたゆ
恋の思いを断ち切ること。 - 諦む|あきらむ
恋を断念し、受け入れる。 - 立ち別る|たちわかる
男女が別れる。 - 別れ路|わかれぢ
別れへと向かう道。 - 帰らぬ人|かへらぬひと
二度と戻らぬ恋人。 - 恋死に|こひじに
恋の苦しさの末に命を落とすこと。 - 思ひ果つ|おもひはつ
恋の思いを尽くし、結末に至る。 - 思ひの露|おもひのつゆ
涙・儚さに喩えた和歌的表現
10. 余情・幻想・象徴表現
- 哀れ|あはれ
恋の場面での深い感動や情趣。 - 名残|なごり
別れの後に残る恋の余情。 - 名残惜し|なごりをし
別れがたい恋心。 - 面影|おもかげ
離れた恋人の姿が心に残ること。 - 思ひ草|おもひぐさ
恋の悩みを象徴する和歌的表現。 - 偲び草|しのびぐさ
忘れがたい恋を象徴する草。 - 夢|ゆめ
叶わぬ恋や逢瀬の象徴。 - 夢幻|ゆめまぼろし
夢のように儚い恋。 - 影|かげ
恋人の残像、心に残る姿。 - 思ひ出|おもひで
恋の記憶。
古語が映す、恋のかたち
始まりのときめきも、深く沈む想いも、古典の言葉は否定せずに残されています。
この一覧は、恋を理想化するためではなく、恋という感情を静かに見つめ直すためのものです。
読む人それぞれの経験に、重なる言葉がきっと見つかります。
恋を表す古語にはどんなものがありますか?
恋を表す古語には、「恋(こひ)」のような基本的な語から、「思ひ初む」「忍ぶ」「恋ひ焦がる」「契り」「思ひ絶ゆ」まで、感情の段階ごとに細やかな表現があります。恋の始まり、想い続ける心、秘めた関係、別れの余情までを言い分ける点が特徴です。
古語の恋の言葉は、現代語とどう違いますか?
古語の恋表現は、感情そのものだけでなく、立場や状況、心の揺れを含めて表します。「忍ぶ」「侘ぶ」「哀れ」などは、喜びと苦しさが入り混じった恋の感覚を一語で示す点が、現代語との大きな違いです。
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