夏の動物の季語一覧
初夏(太陽暦5月・旧暦4月)
昆虫・節足動物
- 蚕蛾(カイコガ) — 蚕が成長し羽化した蛾。養蚕の季節を告げる。
- 穀象(コクゾウ) — 穀物を食害する小さな甲虫。初夏に活動が盛ん。
- 根切虫(ネキリムシ) — 野菜の根を切る害虫で、初夏に多く見られる。
- 袋角 — 鹿の新しく生えた角を覆う袋状の皮膚。初夏に成長する。
- 松蝉(マツゼミ) — 松林で鳴く蝉。初夏の頃に声が聞こえ始める。
- 繭 — 蚕が作る繭。養蚕が盛んになる季節の象徴。
海の生き物
- 海酸漿(ウミホオズキ) — 軟体動物「ウミウシ」の仲間。海岸で見られる初夏の生物。
- 蝦蛄(シャコ) — 初夏に旬を迎える甲殻類。
仲夏(太陽暦6月・旧暦5月)
哺乳類・爬虫類・両生類
- 蝙蝠(コウモリ) — 夏の夕暮れに飛び交う姿が季語となる。
- 鹿の子(子鹿・親鹿) — 夏毛に白い斑点が浮かぶ時期の鹿。
- 雨蛙(アマガエル) — 雨の季節に鳴き声がよく響く。
- 河鹿(カジカ) — 清流に住むカエルの仲間で、夏に澄んだ声で鳴く。
- 蝦蟇(ガマ) — 大型のカエル。梅雨時に姿が増える。
- 蛇(ヘビ) — 気温が高まり活動が盛んになる。
- 蝮(マムシ) — 初夏〜夏にかけて見られる毒蛇。
- 守宮(ヤモリ) — 家屋の害虫を食べる夏の訪問者。
- 蜥蜴(トカゲ) — 夏の日差しの下で敏捷に動く小動物。
鳥類
- 青鷺(アオサギ) — 初夏の湿地で優雅に歩く大型の鳥。
- 老鶯 — 鶯の晩声。春を過ぎた季節感を表す。
- 閑古鳥(カンコドリ) — カッコウの別名。初夏の象徴的な鳥。
- 水鶏(クイナ) — 水辺に住む鳥で、夏の初めに声を聞く。
- 駒鳥(コマドリ) — 高山に渡り、夏山でさえずる。
- 筒鳥(ツツドリ) — ホトトギスの仲間。初夏に鳴く。
- 仏法僧(ブッポウソウ) — 鳴き声が特徴的な夏鳥。
- 時鳥(ホトトギス) — 「夏鳥」の代表格。夜にも鳴く。
- 瑠璃鳥(ルリチョウ) — 青い羽が美しい夏鳥。
- 残鶯 — 夏まで山中に残って鳴く鶯。
魚類・水生生物
- 濁り鮒 — 梅雨の頃、濁った水に泳ぐ鮒。
- 目高(メダカ) — 夏の水田でよく見られる小魚。
昆虫
- アゲハ — 初夏に舞う大型の蝶。
- アメンボウ — 水面を滑る夏の小昆虫。
- 糸蜻蛉(イトトンボ) — 細身のトンボ。初夏に多い。
- 蚊(カ) — 初夏から活動が活発になる。
- 蚊の声 — 夏らしい蚊の羽音の季語。
- 蚊柱泣く — 蚊が群れをなし飛ぶ様子。
- 羽蟻(ハアリ) — 群飛する夏の羽蟻。
- 初蛍 — 初めて蛍が見られる時期。
- 火取虫 — 光に集まる昆虫。
- 蛍(ホタル) — 夏夜の象徴的な光を放つ。
- 蛍火 — 蛍の淡い光そのものを詠む季語。
- 蛍合戦 — 蛍が群れ飛ぶ風景。
- 平家蛍(ヘイケボタル) — 日本固有の小型の蛍。
- 油虫(アブラムシ) — 夏に増える植物害虫。
- 蟻(アリ) — 活動が最も盛んな季節。
- 蟻地獄(アリジゴク) — 砂地で巣穴を作る幼虫。
- 蛆(ウジ) — 夏に発生する虫として詠まれる。
- 蚤(ノミ) — 夏に多く見られる吸血害虫。
- 蜘蛛(クモ) — 巣を張り始める活動期。
- 蜘蛛の囲(クモノイ / 蜘蛛の巣) — 夏に見られる巣の輝き。
- ゲジゲジ — 湿気の多い場所に現れる多足類。
- 源五郎(ゲンゴロウ) — 水田に住む水生昆虫。
- ゴキブリ — 夏に活発化する害虫。
- 田亀(タガメ) — 日本最大級の水生昆虫。
- 夏の蝶 — 盛夏に舞うさまざまな蝶。
- 蠅(ハエ) — 夏に大量発生する虫。
- ボウフラ — 蚊の幼虫。
- 百足虫(ムカデ) — 夏に活動が盛んな多足類。
- 蝸牛(カタツムリ) — 梅雨時に多く見られる。
- 蛞蝓(ナメクジ) — 湿り気の多い季節に増える。
- 蛭(ヒル) — 水辺に生息し、夏に活発。
- 蚯蚓(ミミズ) — 雨季に地表に出る。
晩夏(太陽暦7月・旧暦6月)
鳥類
- 雷鳥(ライチョウ) — 夏山に姿を見せる鳥。
魚類・水生動物
- 金魚(キンギョ) — 夏祭りの象徴的存在。
- 海月(クラゲ) — 夏の海に漂う幻想的な生物。
- 船虫(フナムシ) — 海岸の岩場で走り回る甲殻類。
- 夜光虫(ヤコウチュウ) — 暗い海で青白く光る微小生物。
昆虫(盛夏の虫たち)
- 油蝉(アブラゼミ) — 盛夏に大きな声で鳴く蝉。
- 空蝉(蝉の殻) — 蝉の抜け殻。夏の風物。
- カブトムシ — 子どもに人気の夏の昆虫。
- 髪切虫(カミキリムシ) — 夏に活動する甲虫。
- 毛虫(ケムシ) — 葉を食べ活発になる。
- 甲虫(コウチュウ) — 夏に多い昆虫全般の季語。
- 黄金虫(コガネムシ) — 金色に輝く夏の甲虫。
- 紙魚(シミ) — 古書に住む虫。夏に動きが活発に。
- 蝉(セミ) — 夏を象徴する代表的な虫。
- 蝉時雨 — 無数の蝉が降り注ぐように鳴く音。
- 玉虫(タマムシ) — 美しい翅を持つ夏の昆虫。
- 天道虫(テントウムシ) — 夏の草原でよく見られる。
- 初蝉 — 初めて蝉の声を聞く時期。
- ミンミンゼミ — 盛夏に特徴的な声で鳴く蝉。
夏の動物 – 食べ物の季語一覧
初夏(太陽暦5月・旧暦4月)
魚介類
- 鯵(アジ) — 初夏に脂がのる、大衆魚の代表的な旬の味。
- 穴子(アナゴ) — 柔らかな身が持ち味の魚。初夏から美味しくなる。
- 鯖(サバ) — 冷たい海から上がってくる、季節感のある青魚。
- 初鰹 — 初夏に上る鰹。さっぱりした味わいが好まれる。
- 烏賊(イカ) — 身がしまった初夏のイカは刺身や天ぷらに重宝される。
仲夏(太陽暦6月・旧暦5月)
魚介類
- 鮎(アユ) — 「香魚」とも呼ばれる、夏の川魚の代表。
- 虎魚(オコゼ) — 見た目は怖いが、身は美味な高級魚。
- 鰹(カツオ) — 初鰹から続き、脂ののった戻り鰹まで長く楽しまれる。
- キス(魚) — 白身が上品な、夏の投げ釣りの定番魚。
- 黒鯛(クロダイ)(チヌ) — 岸辺で釣れる夏の人気魚。
- 鯒(コチ) — さっぱりとした白身で、刺身にも向く。
- ゴリゴリ — 川や湖にすむ小魚を総称的に呼ぶ地方名。
- 飛魚(タビウオ) — 海上を滑空する姿が夏の海を思わせる。
- ベラ — カラフルな小型魚で、夏の磯釣りの対象。
- 蟹(カニ) — 夏の海や川に多く、食材としても重宝される。
晩夏(太陽暦7月・旧暦6月)
魚介類
- 洗鯉 — 鯉を洗い〆にした料理。冷たくして供される。
- 石首魚(イシモチ) — 白身の魚で、夏の煮付けや塩焼きに好まれる。
- 鰻(ウナギ) — 土用の丑の日に食べる夏のスタミナ食。
- カマス — 細長い体の魚で、塩焼きに合う。
- カンパチ — ブリ類の一種。夏の刺身や照焼きに人気。
- 舌鮃(シタビラメ) — 舌のように平たい魚。ムニエルなど洋風料理にも。
- 泥鰌(ドジョウ) — 柳川鍋などで知られる、小さな淡水魚。
- 土用鰻 — 土用の丑の日に食べる鰻を特に指す季語。
- 鯰(ナマズ) — 川魚で、蒲焼きや鍋に用いられる。
- 鱧(ハモ) — 夏の京料理に欠かせない高級魚。
- 山女魚(ヤマメ) — 清流に住む川魚で、夏の渓流釣りの人気。
- 土用蜆 — 土用の頃に旬を迎える蜆。味噌汁などに。
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